会場にはクリスマスツリーも沢山。雰囲気を盛り上げてくれます。

会場に展示されていた石田種生氏直筆のノーテーション(舞踊譜)

会場入口には“完売御礼”の文字も。後ろではお花やリース、入ると小さなクリスマスマーケットのようにお菓子やクッキーなどを売っています。

開幕前のロビーではミニコンサート。観客を楽しませる工夫が沢山。

スズキ・バレエ・アーツの会場、夜で見づらいですが鎌倉芸術館は中庭の竹も見事。

恒例のクリスマス・クッキーも出来上がりました。デコレーションはつい夢中になる作業です。

 12月は毎年『くるみ割り人形』ラッシュ、色々なバージョンが見られる楽しいシーズン。クリスマス気分も盛り上がります。

 

 今年1本目は井上バレエ団でした。オーソドックスな上品な仕上がり。終演後のクリスマスソング演奏もそろそろクリスマス、という気分を盛り上げてくれます。

 K-Balletは恒例の赤坂ACTシアターバージョン。「花のワルツ」を踊る吉田太郎氏はふわっと持ち上がる様なジャンプも美しく、首も長くラインも綺麗で、今後が楽しみなダンサー。(やはり重力を感じさせない、重力を裏切る感じもバレエの大きな魅力ですね)。山本雅也氏は王子初役とのことで、瑞々しい踊りでした。

 矢内千夏さんのクララもとても見たかったのですが、残念ながらどうしても日程が合いませんでした。

 

 東京バレエ団の秋元康臣氏は相変わらずのラインの美しさとノーブルさが際立ちました。メイクはもう少し映えるものがありそうですが…。最近多くなったプロジェクション・マッピングを使用した演出でした。1幕で人間がくるみ割り人形を演じたり、少し「?」と思う場面も。

 

 東京シティ・バレエ団はなごやかムード。地元に愛されるバレエ団という日本でのバレエの在り方としてはリアリティのあるバレエ団だと思っています。子供のコロンビーヌ、ピエロ、ムーア人はいつもかわいく、演技もしっかりしていて、見ていてほっこりします。

 東京シティ・バレエ団は7月の石田種生版『白鳥の湖』公演の際に石田種生氏のノーテーションの展示をされていました。こうしたものが残っていたことを知らなかったのですが、非常に貴重な資料ですし、ノーテーションを会場で一部ではあれ、見ることができるのは個人的に嬉しいというだけではなく、バレエがどうやって伝わっていくのか、振付けられていくのかという事を考えるきっかけになるのではないと思いました。

 広い客層を持つバレエ団だからこそ、そうした事もプログラム誌上含めて発信して欲しいな、とも思いました。

 

 今年最終の『くるみ割り人形』はスズキ・バレエ・アーツによるもの。確か2014年にフリッツ役を踊っていた山本達史氏は、現在所属する東京バレエ団の『くるみ割り人形』のフランスの踊りでも魅力を発揮していました。今後も楽しみなダンサーです。

 新国立劇場は『くるみ割り人形』上演がなく『シンデレラ』。長田佳世氏の引退公演でしたが、まだまだ踊れるダンサーで残念だなと思いました。仙女の木村優里さんは空気を作りつつ盛り上げるという大役にふさわしい踊りと楚々とした美しさで印象的でした。6月には『ジゼル』を主演、今から楽しみです。

来年はどんな舞台に、そして『くるみ割り人形』に出会えるのでしょうか。

今年もそろそろ終わりです。