左から薄井憲二さま、私、イリーナ・バロノワ

イヴの晩に…薄井憲二さんを偲ぶ

左から薄井憲二さま、私、イリーナ・バロノワ

ルイジアナでのバレエ・リュス同窓会のパーティーにて。左から薄井憲二さん、私、イリーナ・バロノワ

まだ大学時代、1992年にいただいたお手紙。大学到着印が12月24日とありました…これも大切な宝物です

 イヴの日に悲しいお知らせが届きました。

薄井憲二さんご逝去、との事。

 

 

 まだまだお聞きしたい事、教えていただきたい事が沢山ありました。とても残念です。

ディアギレフやリファール、ドーリンのいる彼方に旅立たました。

今はただ、安らかにお休み下さいと願うばかりです。

 

 

 振り返ってみた事がありませんでしたが、薄井憲二さんとのご縁は20年以上に渡ります。大学時代に私が同級生と運営していた「近代舞踊史研究会」の冊子を読んで下さった事から始まりました。私の祖父と薄井憲二さんのお兄様が親しかった事から繋がったご縁でした。

 

 まだ一介の学生でしたが、「バレエ・リュスに興味を持つ若い方が出てきて嬉しい」と教えていただいたり、間違いを指摘いただいたり、時には資料をご提供いただくなど、様々な形でお世話になり続けました。初めてバレエ・リュスの当日プログラムを見たのはお送りいただいたコピーでの事でした。

 

 あの時代の「本物」のサイズ、文字ととても興奮した事を覚えています。本ではなく本物の資料をベースにした研究という原点の一つだと思います。

 

 時代も違いましたから、お手紙でのやり取りが続き、初めてお目にかかったのは大学院に進学してからでした。魅力溢れるスケールの大きな先生という印象を持ちました。

 

 

 その後、1998年のセゾン美術館でのバレエ・リュス展の出品のためにキュレーターの方とコレクションを拝見しにご自宅に伺い、その量と内容に驚きました。パリやロンドン、NYに行って見て来たもの、見つからなかったものがまさか日本にあるとは思わなかったのです。

 

 展覧会のための出品選定を一緒にさせていただき、ケース展示を任され無我夢中で仕事した事を良く覚えています。

 

 展覧会場に何回も薄井さんがお運びになっていたのも印象深い事でした。本当にお好きだということを強く感じましたし、ご一緒に拝見した時にはその作品についてのお話など今でも思い出す事があります。素敵な思い出です。

 

 2000年に開催されたバレエ・リュス同窓会の情報をいただいたのも、薄井さんからでした。既にお知り合いでいらしたイリーナ・バロノワやジョリジュ・ゾリッチといった元バレエ・リュス・ド・モンテカルロのダンサー達に会う事ができました。掛け替えのない時間でした。写真を撮る習慣がないので、わずかしかありませんが、その様子と会話は心と記憶にしっかりと焼き付いています。

 

 私のバレエ・リュス・ド・モンテカルロの認識が変わった契機にもなりました。

 

 

 その後、ご連絡をいただき、5年に渡ってその薄井さんのご自宅のコレクション・ルームに通ってコレクションをゼロから整理し続けました。最初は2年もあれば終わると思っていたのですが、膨大な量と内容で想像以上に長い時間がかかりました。泊まっていた京都までの終電になることもしばしばでした。時を忘れるほどに幸せで楽しい仕事だったのです。整理しながら沢山の事を学び、教えていただいた事、感じた事は私にとって掛け替えのない贈り物です。

 

 色々な案があったものの、最終的に兵庫県立芸術文化センターに収蔵されました。

 

 収蔵時そしてその後5年間、キュレーターとして館内での年6回の常設展示、2回の企画展示、そして館外への貸し出しや企画展示すべてを手掛けました。2009年には小さいながらも宝石のような展覧会を改築前のミキモト・ホールで開催することができた事が少しは恩返しになっていたらいいなと思っています。東京の素敵な空間で、クリスマス・シーズンにコレクションを見ていただけたのは嬉しい事でした。最後に関わったのは京都国際マンガ・ミュージアム、北九州マンガ・ミュージアムヘ巡回したバレエ・マンガ展でした。

 

 その後も、新しいコレクションをお買いになられた時など、折に触れてご連絡をいただき、またさせていただきました。バレエのお話もこれまで経験された海外のお話もずっと聞いていたいようなお話が沢山あり、バレエ・リュスに関わる人物についてはもう一度しっかり伺わなければ、と思いながら果たせなかった事は心残りです。

 

 折々の何気ない会話も今では二度と手に入らない宝物になってしまいました。大切に抱きしめながら、伝えるべき内容は伝えていかれたら、と思っています。

 

 海外の共通の友人、知人たちからも悼む声が届きます。

 

 本当に偉大な、スケールの大きい最後のディレッタントでいらしたのだと思います。

 

 心よりご冥福をお祈りいたします。

『パリジェンヌ展』のトークに登壇いたします。

来年の事をいうと「鬼が笑う」とも言いますが、是非ご予定に入れていただきたいのでお知らせです。
2018年2月、世田谷美術館で開催される『パリジェンヌ展』のトークイヴェントに登壇いたします。

 

先日の打ち合わせでも大変盛り上がり、ぎゅっと詰まった中味になることは間違いありません。世田谷美術館学芸員塚田美紀さまのナビゲートで詰楽しく、はっとするようなトークをお届けできることと思います。

 

この展覧会自体の会期は1月13日から4月1日まで。
世田谷美術館のリニューアルオープン1本目の節目の展覧会でもあります。私のトークの他に楽しそうなイヴェントや公演が沢山。我が目を疑った100円のポプリ・サシェをつくるワークショップなど楽し気なものも。
是非お運びくださいませ。

 

会場でお目にかかれますのを楽しみにしております。

 

データ:

展覧会名:「踊るパリジェンヌ-舞台に立った女性たち」

日時:2018年2月12日(月・振替休日)14:00~15:00(13:30開場)

チケット:展覧会チケットで入場できます。当日13:00より整理券配布

イヴェントサイト:http://paris2017-18.jp/events.html

展覧会サイト:http://paris2017-18.jp/

徳田秋聲記念館にて講演の様子

金沢記念講演『踊る文学者とその時代~徳田秋聲の見たダンス、踊ったダンス~』へご来場ありがとうございました。

徳田秋聲記念館にて講演の様子

写真提供:徳田秋聲記念館

講演終了後、上田館長と徳川名誉館長と

講演終了後。徳田秋聲記念館館長上田正行さま、館長名誉館長(秋聲令孫)徳田章子さまとシアター21入口にて。

 金沢21世紀美術館、シアター21での講演へのご来場、ありがとうございました。秋聲が立ち合った日本のバレエを含めたダンスの黎明期、そして自ら踊る社交ダンスとの関わりを駆け足でお話しいたしました。
 文学者とダンス、というのは大学時代からいつかは…と思いながらそれぞれの文学者研究の方もいらっしゃるので簡単には手を出せないなと思ってきたテーマなのです。今回、高橋麻帆書店の高橋麻帆さんからのご紹介で徳田秋聲館の学芸員、薮田由梨さまと出会うことができ素晴らしい会が実現しました。
 薮田さまにいただいた沢山の資料なしには実現しませんでした。
日本へのダンス移入の問題は広くとらえないと色々取りこぼしてしまうことが多く、まだまだ調査・研究が必要だと思っております。

 熱心にお聞きいただき、とても楽しくお話しさせていただきました。

記念講演『踊る文学者とその時代~徳田秋聲の見たダンス、踊ったダンス~』に登壇いたします。

三文豪月間のイヴェントとして金沢で講演をいたします。
徳田秋聲『踊る文豪~秋聲とダンス!』にちなんだ講演です。日本の舞踊受容史にとって重要でありながら見落とされがちな文学者とダンスという問題はまだまだ調べたいことも沢山あります。
その「現在」をお話しいたします。
まだ少し余裕がありそうですので、是非お運びくださいませ。

 

日時:11月25日(土)14:00~16:00
会場:金沢21世紀美術館 シアター21
費用:無料
申込:電話にて申込(徳田秋聲記念館 076-251-4300)

 

http://www.kanazawa-museum.jp/shusei/images/sanbungo2017.pdf

新国立劇場バレエ研修所『オータム・コンサート 2017』が開催されます

バレエ史を担当している新国立劇場バレエ研修所の発表公演が下記の2回行われます。これからのスターを見つけにでかけてはいかがでしょうか?
チケットもとてもリーズナブルなのでお友達も誘いやすいかもしれませんね。ゲストには芳賀望さんも出演されます。

 

2017年11月18日(土)19日(土) 両日とも15:00開演
会場:新国立劇場 中劇場
全席指定:2160円(税込)

 

http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/performance/28_011064.html

講座 毛利臣男さんをお招きしてお話を伺います。

ダンスカフェサロンinあうるすぽっと2017『ダンスの観方、読み方』が下記の通り開催されます。

後期4回目に毛利臣男氏の聞き手として登壇いたします。1992年のパリ・オペラ座『白鳥の湖』の鮮烈な衣裳は今でも忘れがたいですし、今年香港ではミュンヘン・バレエの『ラ・バヤデール』も毛利臣男氏によるものでした。

知られざるエピソードなど、ここならではのお話をうかがえることと思います。是非お運びください。

 

11月11日(土)19:00

「踊る衣裳~スーパー歌舞伎からパリ・オペラ座まで~」

会場:あうるすぽっと3階 会議室

料金:500円

定員:30名(予約優先)

 

予約先:dancecafe-21@krb.biglobe.ne.jp

    ➀参加希望講座名 ②お名前(ふりがな) ③ご連絡先(お電話番号もしくはEmail)

桜沢エリカさんの描く『バレエ・リュス~パリが煌めくとき~』

桜沢エリカ『バレエ・リュス ニジンスキーとディアギレフ』発売

桜沢エリカさんの描く『バレエ・リュス~パリが煌めくとき~』

桜沢エリカさんの描く『バレエ・リュス ニジンスキーとディアギレフ』が間もなく発売されます。学術協力させていただいた作品ですが、今回巻末にエッセイを書かせていただきました。
バレエ・リュスが桜沢エリカさん(原案:市川しんすさん)の手から多くの人の元に届けばと思っております。

 

是非お手に取ってご覧くださいませ!
美しい表紙にも気分が盛り上がるはず。

 

よろしくお願いいたします。

 

『バレエ・リュス ニジンスキーとディアギレフ』
(フィールコミックス) 1296円(税込)
発売日:2017年10月7日

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宇野亞喜良氏『定本薔薇の記憶』に!

「定本 薔薇の記憶」 宇野亞喜良

誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。独特の表情。

“マジョリ画”

“マジョリ画”になった私。似てるかしら?

『定本 薔薇の記憶』ディアギレフが描かれたページ

ディアギレフが描かれたページに登場できて光栄です。

 少し遅いご紹介になってしまいましたが、イラストレーター宇野亞善良氏の新刊エッセイ集に登場しておりました。
大好きなイラストレーター、お目にかかれたのも嬉しく、さらにお話も楽しかったのですが、大変著名な方ですから、私の事をご記憶とは想像もしませんでしたから、思いがけない嬉しい事でした。

 

 新書館から出されていたバレエの本でディアギレフの肖像を描かれていて、当時意外ではあったのですが、人となりが伝わるようなイラストで、印象に残りました。
私が知ったのは中高時代。フランスのアンニュイさが伝わって来るような独特の少女達、猫が多く描かれた世界は魅惑的でした。

 

 その後、お芝居のチラシや少し前にはCDジャケットで見かけてやっぱりいいな、と思い、昨年は資生堂のマジョリカマジョルカというブランドで肖像画を作ってくれる“マジョリ画”というサービスが気に入って友人にも自分にも作ったりしました。

 

 私が登場するのは数ページですが、他のページも大変魅力満ちたもの。是非お手に取って宇野亞喜良氏の文字による魅力的な世界に触れてみて欲しいな、と思います。

フィール・ヤング表紙

ご紹介とプレゼントのお知らせ

フィール・ヤング表紙

 現在発売中の『フィール・ヤング』(祥伝社)2017年9月号で『祇園祭の愉しみ 山鉾と御神輿をめぐる悦楽』を素敵な文章でご紹介いただきました。2名様にプレゼントも。

 

 まだ買っていなかった!という方は是非ご応募ください。
『フィール・ヤング』、意外な作品の場面に祇園祭も登場していました!探してみてください。

映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』本日公開!

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』

3月のパリの地下鉄で写真を撮る人が絶えないので何かしら、と思ったらポルーニン出演のDIESELの広告でした。“MAKE LOVE NOT WALLS”(下には小さくフランス語)確かに‼‼

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』

美しい写真やインタビューが満載のパンフレット。私も“「野獣のよう」と評されるダンサーの系譜~ニジンスキーからポルーニンまで~”を寄稿しました。是非会場で!

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』

光降り注ぐ中のポルーニンは何を祈っているのでしょう…

 今年公開されるバレエ映画の中でも多方面から注目を集めるのがこの映画です。You Tubeでの「Take me to church」は現時点で1200万回という驚異的なView数となっています。その数字はポルーニンがバレエ関係者以外の人にも知られたと言う事を証明していると言えそうです。
実際、私も思いがけない場所でこの映画が公開される随分前から、いつ公開かと聞かれたり、とこれまでのバレエ映画とは全く違う手応えを感じました。
以前こちらでもご紹介したイヴェントでのポルーニンは背景がパイプオルガンだったこともあって、映像とは別の魅力もありました。

 

 映画は何かを極める事の熾烈さとそこから立ち上がり前を向いた人間の透明感ある強さを感じさせるもので、何回も見たいと思う出来栄え。年代、自分の状況、それぞれに「刺さる」台詞や場面がありそうです。

 

 写真展、来場者プレゼント、SNSプレゼント等イヴェントも目白押しです。公式サイトで順次更新されています。

 

公式サイト:
 http://www.uplink.co.jp/dancer/