勅使川原三郎・佐東利穂子の『牧神の午後~消えゆく書体~』

光輝く劇場入口

ポスター、チラシにはニジンスキーイメージが…

 KARAS APPARATUSに『牧神の午後~消えゆく書体~』見に出かけました。勅使川原三郎の個人劇場、KARAS APPARATUSの4年目第1作品目との事。

 音楽はオリジナルであるドビュッシーの「牧神の午後」だけではなく「雲」なども使い、勅使川原三郎のソロ、佐東利穂子のソロ、デュオという構成。オリジナルのニジンスキーの振付を彷彿とさせる所作もありつつ、完全に新しい作品が生み出されていました。

 私には最後のデュオで作品の物語が浮き上がるように感じられました。

 

 何よりすごいのは勅使川原三郎の「軌跡」が目に残る独特のダンス、でしょうか。見る度に他のダンサーではできない「軌跡」を形にする、とでも言えそうな動きは目の快楽とも言えるかもしれません。佐東利穂子のもしかしたら幻だったかもしれないニンフ(オリジナル版と違ってニンフは1人)は夢か現かという雰囲気が随所に感じられました。

 日曜は休演し18日までと回を重ねてどう変化して行くのかも楽しみな作品です。

 

 終演後、勅使川原三郎が「自分のダンス歴は40年以上あるが、まだ数えられる位のことしかやっていない、数えられなくなるくらいのことをしたい」というような事(言葉そのままではありません)を言われていたのも印象に残りました。

 最初に勅使川原三郎のダンスを見たのは1990年代ですが、より精鋭化したように見えるのは気のせいではないと思います。そうした挑み続ける気概が作品・ダンスを生み出し続けているのでしょう。

 

公演日程:8月10~18日、14日のみ休演、13日にも16:00開演、その他20:00開演

会場:KARAS APPARATUS(荻窪駅西口)

予約メール:updatedance@st-karas.com

 

公演詳細

http://www.st-karas.com/karas_apparatus/