夫婦初共演も話題の『ドラマティック古事記』

『古事記』はもっとも古い恋愛物語の一つでもあると言われたら、なるほど…と思いました。神話という印象が強くその印象が実はなかったのです。

 

そんな『古事記』をオペラ、バレエ、語りで進めるというオリジナリティ溢れる舞台が生まれます。これまで宮崎を舞台に上演されて来たシリーズとも言える作品を新たに東京で上演するとのこと。

記者会見では神話の舞台も宮崎というご縁もあり宮崎テレビ社長も列席、熱い思いを語りました。

宮崎出身の西島数博さんによる演出、そして奥様の真矢ミキさんとの初共演も大いに話題になりそうです。その他にも舘形比呂一、橋本直樹、三木雄馬、逸見智彦、厚木三杏、志賀育恵、東儀秀樹、宝田明に錦織健、柴田美保子と芸術監督、西島さんならではの豪華な顔ぶれ。

新国立劇場 オペラパレスで1日だけという贅沢な公演です。少し涼しくなった頃のはずですし、秋のシアターシーズン幕開けに足を運ぶのはいかがでしょうか。

 

9月3日(土)16:00開演

チケットは発売開始されています。

 

プレイガイド
▼チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード:451-695) http://t.pia.jp/
▼Confetti(カンフェティ)
0120-240-540(平日10:00-18:00http://www.confetti-web.com/

お問い合せ
UMKテレビ宮崎 TEL:0985-31-5111
アンクリエイティブ  TEL:03-6721-7970
MAIL:office@ancreative.net

 

西島数博さんのブログやインスタグラムにもリハーサルの様子がアップされています。

http://ameblo.jp/nishijima-kazuhiro

祇園祭前祭

函谷鉾の上で。

鶴は今年新調されたもの。毎年少しずつ新調されたり、変化する姿も楽しみの一つです。

八坂神社石段下出発時はスコールのような雨でしたが、出立と同時に上がり始めるというドラマティックな展開でした。

中御座神輿の差し上げはベストポジションで見ることができました。美しいです。

西御座の最後の御旅所前差し上げ。法被に赤が入るのも特徴。

東御座の勢いのある差し上げの瞬間。

御池通りに長刀鉾が到着。初めての視点から。綾傘鉾の棒振り踊りも蟷螂山のからくりの蟷螂の羽根がパタパタと動くのも、放下鉾のからくり人形三光丸の稚児舞も見ることができて幸せ。

今年の祇園祭は週末で大変な人出でした。(来年も週末なので平日にお休みしにくい方にはいいのかもしれません。)

宵山には友人のご縁で函谷鉾を参拝させていただきました。鉾の中の世界も魅力的、そして鉾から見る駒形提灯の揺れる京都の町も素敵でした。

 

巡行は初めて高い視点からとなりました。まるで京都新聞の1面のような写真が撮れました。御池通りのバックの緑の強さが夏を感じさせます。

鉾がずらっと並ぶ姿は何とも壮観。素敵な方々とあっという間の楽しい一時でした。

毎年色々な視点で見るお祭には新しい魅力があります。

 

夜は実はこちらがお祭りの主役!の神幸祭。中御座、東御座、西御座の三基の勇壮な御神輿には血が騒ぎます。

八坂神社からの出立はまだ日がある頃ですが、御旅所に到着されるのは深夜近く。先導する駒形稚児も絵巻のよう。綾戸國中神社のご神体である馬を胸にいただき、幼いながら馬をしっかり乗りこなしています。

三基それぞれの特徴ある神輿振りの迫力は何回見てもうっとりします。

御旅所に三基が入られるのを見届けました。

6月もバレエやダンス色々

満席のコンドルズ公演、NHKホールも秒殺という凄まじい人気は健在。

ロビーにはアラジンの魔法のランプが…

見づらいですが左下に写っているのが特製「デコトラ」、この上と周辺を使ったパフォーマンスが行われました。ポールダンスも、バンドも…。

6月は公演も花盛りでした。

バレエはK Balletの『眠れる森の美女』、新国立劇場バレエ団の『アラジン』、英国ロイヤル・バレエの『ロミオとジュリエット』と見応えのあるものが続きました。

英国ロイヤル・バレエ団はバレエ・リュスが生んだバレエ団の一つゆえの思い入れもあります。また、現地で長年にわたって回数を見たという点ではパリ・オペラ座と1、2を争うのですが、以前に比べると色々な意味で多国籍になり、「ロイヤル・スタイル」が見えづらくなった印象だったのは残念でした。

 

 (その英国のEU脱退はギリギリで踏みとどまると想像していたので、驚きました…。世界は不寛容に、ポピュリズムに流れるようです…。)

 

ダンスはコンドルズ『LOVE ME TenDER』を埼玉で。埼玉で10作品目、結成20周年と聞いて驚きました。同じ時間をそんなに過ごしたとは…。あっという間で、20年をone decadeというのも何となく初めて腑に落ちたり。観客は大いに盛り上がり、一緒に盛り上がれたら楽しいのだろうな、と思いました。

 

やなぎみわさんの『日輪の翼』は野外、しかも雨混じりの空の下でしたが聖と俗が入りまじった世界を鮮やかに描きだしていました。トラックは撮影禁止でしたが、一見の価値あり。少し淫靡な花のようでもある不思議な空間を作り出しました。

7月は新潟公演も話題のNoismの『ラ・バヤデール』(KAAT)、小林紀子バレエ団のアシュトン・マクミランプログラム(新国立劇場)、東京シティ・バレエ団『白鳥の湖』(ティアラこうとう)と公演は続きます…。

『TALK & PRESENTATION Carpe diem今を摘め』第2回開催! 

日本文化デザインフォーラム(JIDF)

私も幹事の一人を務めております、日本文化デザインフォーラムの今年2回目のイヴェントが開催されます。

色々と話題になり、圧倒的多数で決定したオリンピックエンブレム制作者の野老朝雄さんはじめ、6名の専門家の方々のお話はきっと知的興奮に満ちたものになるはず。是非お運びくださいませ。

 

7月15日(金)19:00スタート

前日まで下記より予約受付中

http://www.jidf.net

そろそろ“祇園祭”

昨年お願いしていたものが、京都の井澤屋さんから届きました。

 先日、今年の長刀鉾のお稚児さんと禿が決定したとのニュースが流れました。ヤサカタクシーなどを傘下に持つヤサカグループの御子息だそう。兄弟でお稚児さんと禿を務められるのは福寿園の御子息以来4年ぶりだとか。

 

 今年と来年の祇園祭は完全に週末と重なるので人出は猛烈なものとなりそうですが、きっと今年もまた見た事のないお祭の姿に出会えるでしょう。毎年、夏の楽しみです。

気が付けば10年以上も通っています。

 

 昨年お願いしていた帯も届きました。

初心者ですが、上手に着こなしたいな、と思っています。

銀座でPavlova

「パヴロワ」というお菓子に私が初めて出会ったのはオーストラリア、キャンベラのバレエ・リュス展『ロシアより愛を込めて』を見に行った1999年の事でした。

 その名の通りアンナ・パヴロワが好きだったことにちなんだお菓子です。メレンゲをベースにしたレシピは様々です。『瀕死の白鳥』を得意とした彼女の雰囲気に合わせてレストランで出されたものをパヴロワが気に入った事から名前が付いたようです。ニュージーランド発祥とも言われます。私がパヴロワに最初に出会ったオーストラリアにおいてバレエはアンナ・パヴロワ、そしてバレエ・リュス・ド・モンテカルロによって広まり愛されましたが、その足跡がお菓子にも残っているとは当時考えてもみなかったのでワクワクしながらオーダーしたのを覚えています。

 

 先日、思いがけず、銀座ローズ・ベーカリーのメニューに見つけて迷わず注文しました。今回はストロベリーが沢山乗った華やかなアレンジで出てきました。

 

 オリジナルにストロベリーは乗っていなかったかもしれませんが、これはこれで華やかです。アンナ・パヴロワというよりは少し日本のバレエ・イメージに近いのかもしれない、とも思ったり…。

 日本のバレエのプレゼンテーションは他国に比べてどうも「少女趣味」に傾くきらいがあるように思います。バレエが「女性が見るもの」「女性的なもの」というイメージを強くしてしまっているのは少し残念な事だと思っています。

 日本でのバレエの伝達を考えると無理のない所もあるのですけれど、そのお話は長くなるのでまた改めて…。

バレエ・リュス展『ロシアより愛を込めて』子供向けのワークブックもとても素敵で驚きました。

招待状もとても凝っていて行く前から気分が高まりました。(見えているのは『道化』の衣裳)

招待状の片方を開いたところ、今見ても素敵です。(『シェエラザード』の衣裳)

*ASTERISK 『Goodbye, Snow White 新釈・白雪姫』~“美”は天然?それとも人工?~

アスタリスク4回目は中村うさぎ原作という珍しい公演でした。振付・演出、そして作曲もMIKEY。お二人は旧知の仲とか。

ダンスを核に表現をしていきたいというMIKEYの言葉通り、ダンスは中心にはあるけれど表現されるのは物語世界。セリフもあれば歌もあり、というエンターテインメント・ショー。フォーラムCで3日間、4回公演を満席にできるパワーに納得する観客の温度と勢いのある舞台でした。

 

物語は誰もが知る『白雪姫』の中村うさぎ新解釈バージョン。

魔女と白雪姫が「美魔女」と「天然ガール」に置き換えられ、舞台は芸能界というわかりやすく無理のない設定。

この設定とストーリーは日本&米国では広く共感を呼ぶのではないでしょうか。プラスティックサージェリーも辞さない「美魔女」(という言葉は嫌いですが、今は定着した感がありますね)をどう見るかは年齢をどう重ねるかという問題ですし、「人工」と「天然」はある意味永遠の対立項でもありますから。年代によってはぐさりと刺さるセリフも多くドキドキしながら見ていました。

 

そんなセリフやストーリーにも毒たっぷりの作品ですが、実力あるダンサー達によるダンスシーンの場面は見惚れるほどの圧倒的な迫力がある高度なものでした。

 

再演のお話も出ているそうですが、MIKEYのキャラクターが炸裂した感のある「美魔女」がキャストになるとまったく違った魅力になりそうです。

 

たっぷり楽しんだ帰途、アートとエンターテイメントについても考えてしまいました。芸術になるエンターテイメントもエンターテイメントになる芸術ももちろん存在しますからこちらは決して対立項ではないのですが…。

「サティとすばらしき仲間たち」鼎談に出演いたします

今年はサティ生誕150周年。

それを記念したイヴェント“藝大プロジェクト2016「サティとその時代~世紀末からベルエポックへ~」”が5月15日から始まりました。全4回、11月まで断続的に開催されます。

 

その最終回11月6日、芸術の秋の頃、「サティとすばらしき仲間たち」鼎談に出演いたします。

ご一緒するのは素敵なパラードアニメを制作された山村浩二さん、作曲家の小鍛治邦隆さん、そして今回お声かけいただいた詩人で芸術研究家の小沼純一さん。

どんなお話が飛び出すのかわくわくしています。

 

2部はコンサートで山村さんのアニメーションもご覧いただけます。そしてもちろん『パラード』の演奏も。サイレンやタイプライターを楽器として本当に使うのでしょうか?バケツの水をひっくり返す場面はあるのでしょうか? こちらも色々楽しみです。

是非お運びくださいませ。

 

この前に6月25日、10月22日にもレクチャー&コンサートが行われます。

会場はいずれも東京藝術大学奏楽堂。趣のある素敵なホールなので、そこに登壇できるのも嬉しい事だと思っています。

1回券、2回券、3回券がありますので、ご予定に合わせてお選びいただけます。

 

ちょっと先ですがお目にかかれますように。

香港~番外編~

最終日のクロージング・レセプション

こんな趣にあるところを通って博物館へ。右の赤煉瓦はYMCA香港支部。

沢山の階段を上った先にある1906年の「香港医学博物館」こちらも赤煉瓦

先日アップしました香港で見てきた『眠れる森の美女』ナチョ・ドゥアト版。DVD発売との報が流れてきましたので、そちらをご覧になるのも一興かもしれません。

 

公演最終日はフェスティヴァルの最終日でもあり、今年はモエ・シャンドンさんのご提供で観客席全員にシャンパーニュが配られるという粋な計らいもありました。日本の文化庁長官に当たる方などのお客様も多い最終日にはセレモニーも行われましたが、深夜便で戻りましたので、グラスを飲み干して空港へ…というあわただしいものになりました。

そんな香港で初めてのところへもいくつか。

 

~香港でクレソン そして 香港医学博物館~

バレエとは関係ありませんが、フェスティヴァル取材でもう10回以上(もっとかも数えた事がありません)訪れている香港、ちょっと違う事をしてみようと調べて面白そうだったのでクレソン畑のある町へ行って来ました。小さなバスで20分ほど山を上がったところで朝食をいただき、クレソンを食べ(中華炒めがとても合うのは知りませんでした!)、そして購入しようと野菜販売のおばさんに話しかけたところ(といっても広東語はできないのでほぼ筆談)クレソン畑で一緒に摘むことになりました。摘み方もコツも教わって、写真をとるからと撮ってくださいました。若くておいしいクレソンは綺麗な水に育まれていました。なかなかない体験、楽しい一時でした!

 

そして香港医学博物館。これもまだ行ったことのない所へと思って行きました。現地へ向かうと、階段につぐ階段…低いヒールで良かったです、さすがに…。段数を数えようと思ったのですが途中で断念。

登り切るわずか手前にある1906年建設の元病院が博物館になっています。コロニアルな素敵な建物で、庭はハーブガーデンとして様々なハーブが植えられ、一つずつ効能の説明が付けられていました。

疫学から始まった香港医療について最近のSARSまで伝える展示は想像していたより面白いものでした。中国漢方の歴史より西洋医学の伝達や外科手術の歴史を「始め」とするのは今の医学会との関わりにも配慮があるのかしらと、知りたい事も増えました。

 

ちなみに今回香港へ行く前に読んだのは、以下の本。雨傘革命のさなかに行った事も、SARSのさなかに行った事もあるので色々改めてなるほどと思う内容の詰まった1冊でした。確かに最近香港の記事も本も少なくなりました…。そしてこの本の後日談的には書店主失踪など色々きな臭くなっています、これは香港だけには限りませんが。

 

『香港 中国と向き合う自由都市』倉田徹、張彧暋(岩波新書)

最終日はプログラムも違います。そしてシャンパーニュチケット付

のんびりした村にはわんちゃんも猫ちゃんもいっぱい。「なぁに?」と言いたげな表情

毎回と言っていいほど食べるハリネズミの揚げまんじゅう。今回は針が沢山細かいハリちゃんが登場。下に少し見えるマンゴーの入ったお餅も欠かせません!香港は美味しいものが沢山。

教えてもらってだいぶ上手に摘めるようになりました

ナチョ・ドゥアトの『眠れる森の美女』@香港アート・フェスティヴァル

Photos provided by the Leisure and Cultural Services Department of HKSAR
孔雀モチーフが多用された王宮。広がるトレーンも良く映えます。

プログラム表紙にはカラボス姿も

 遅いアップになってしまいましたが、今年も香港パフォーミング・アーツ・フェスティヴァルに行ってきました。今回は3日間全3回の『眠れる森の美女』を見ることができました。ナチョ・ドゥアトは日本でも知られる振付家ですが、彼の全幕作品はなかなか見られないので、どんなものかしらと行ったのです。

 ドゥアト版はロシア、ミハイロスキー劇場バレエ団に2012年に振付けたもので評判や情報が断片的なままの初見となりました。

 

 物語はそのまま、「プティパへの敬意があり、それを尊重し大きく解釈変更をしたり変える事は考えなかった」との事。

 確かに物語の解釈や役に大きな変更点はありません。とはいえ、ナチョらしさは随所に見られました。例えば他のクラシック・バレエでは見られない大きく胸をそらせる動きや、コンテンポラリー作品ではお馴染みになったベジャールの振付にもよく見られる足を開いて膝が直角になるほどに腰を落とした動きなど、他のナチョ作品に良く見られる振りが多用されます。また、「踊らない人はいない」との言葉通り、王と王妃はもちろん、小姓たちも踊りながら退場するなどダンサブルな仕上がりになっていました。

 それを良いと思うか、うるさいと思うかは意見の分かれるところでしょう。私にとっては場面によっては踊らない「居る」だけの役がバレエでは実は重要だったと気付いた作品ともなりました。

 3幕の始めは物語の世界の登場人物たちがその世界への窓なのでしょう、雲に開いた丸い穴から覗いている場面で始まります。何とも可愛らしい場面で印象的でした。(本質的な部分ではなく、円形に登場人物が並ぶ感じや、多数出演する物語の人物たちなど「見た目」は英国ロイヤルバレエ団のダウエル版と似ている部分もあります。)

 この場面では「かえるの王さま」などほとんど踊らない役も登場します。また衣裳のデザインはボンデージファッション風に見える「長靴をはいた猫」、ゴスロリ風に見える「赤ずきんちゃん」など独特のテイスト。これは好みの分かれる所かもしれません。振付も独特のものが多く、「長靴をはいた猫」は音楽が明確なだけに振付には違和感を感じました。

 美術・衣裳はロシア人デザイナーアンジェリーナ・アトラジクによるもの。伝わるかどうか分からないのですが、見ていて思ったのは「オルガルヒ趣味」という言葉。(そんな言葉はありませんが、ぽんと頭に浮かびました)肥大化した帝政趣味とでも言えばいいのでしょうか。ロシアの新興成金の人達が好きそうなイメージと言った方が分かりやすいかもしれません。悪趣味ギリギリの雰囲気です。(決して悪趣味とは思いませんでした、念のため。)ロシア人でなければデザインできなさそうな独特の雰囲気です。そのバランスをとるためもあるのでしょう、美術はその分大変シンプル。デジレが乗った船が進む場面では森が動く仕掛けもありました。