明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

世界は不穏な空気が漂っていますが、平和な年であってほしいと祈るような気持ちで迎えた新年です。

今年は日本で新年を迎えておりますが、忘れられない新年がいくつかあります。

一つはユーロ導入の年のパリ。当時、フランスではユーロ導入に対しては定着するのか半信半疑と言った受け止められ方で、一部ではユーロマークを灯すイヴェントも行われていたものの、基本的には淡々とその日を迎えていました。

とはいうもの新しいお札を手にしてみたかった私は、年明けを待っていそいそと換金しに行ったのです。ところが、何と…ユーロ紙幣はまだない、と結局フランになってしまったのを覚えています。

もうほとんどの人が忘れているかもしれませんが、当時ユーロとフランの換算だけをしてくれる電卓が沢山売られていました。大活躍した電卓でした。

例えば八百屋さんでフルーツを買うと、こちらはフランで払っているのにおつりはユーロ、あるいは逆ということが起こるため、どちらの通貨かを選んで数字を押せばいいだけの小さな電卓はお店では大活躍したのです。

 

それで思い出した事があります。

年明け、いつものように古書市に向かいました。私はユーロとフランを両方持っていたのですが、まだユーロの手持ちが少なかったのです。ですがちょっと使って見たい、そう思って最初にお店がフランで行った金額をまずユーロに換算してもらいました。ところが案外な数字に…そこでやっぱりフランで払うわ、というと端数の関係なのでしょう、最初のフランの金額より安くなってしまったのです。

お店の方も承知でしたが、笑って、「これがユーロマジックかも」なんて言ってその価格で売ってくれました。そんなおおらかなのも市の面白さの一つでしょう。

古書店や骨董市での思いがけないやりとりや、思い出に残るお話などまたこちらでご紹介していかれればと思っています。