京都バレエ団『ドン・キホーテ』(2016年7月24日)

レセプションにて。出演者一同。左端からオニール八菜、シリル・アタナソフ、有馬えり子、カール・パケット。

伝説のエトワールの一人シリル・アタナソフと。

京都バレエ団の公演、今年は話題のオニール八菜さん主演、ファブリス・ブルジョア演出・振付『ドン・キホテーテ』。

おりしも後祭の日の京都ローム・シアターで行われました。オープニング記念事業ということもあっていつも以上に華々しい雰囲気。
瑞々しくて華のあるオニール八菜さんとしっかり支えるカール・パケット、そして生きた歴史のようなシリル・アタナソフと何とも豪華な公演でした。
TVクルーがオニール八菜さんにつきっきりでした。近く映像を見ることができそうです。

京都市美の『サルバドール・ダリ』展も舞台美術が出品されているということで見たかったのですが、時間が作れず、東京で見る事になりそうです。秋の楽しみにしたいと思います。

春季授業終了しました。

そんな授業でA.Iさんがかわいく描いて下さった私☆
※掲載許諾いただいております。

 大正大学、客員准教授として4月から行ってきた講義、春季が終了しました。

 100%出席率の学生さんも多いとても熱心なクラスでした。バレエ・マンガについてなど教えていただいた事もありました。講義の内容が学生さんの記憶に残り、体験に繋がればいいなと思っています。

 そして、またどこかでお目にかかれたら素敵、と思っています。

祇園祭前祭

函谷鉾の上で。

鶴は今年新調されたもの。毎年少しずつ新調されたり、変化する姿も楽しみの一つです。

八坂神社石段下出発時はスコールのような雨でしたが、出立と同時に上がり始めるというドラマティックな展開でした。

中御座神輿の差し上げはベストポジションで見ることができました。美しいです。

西御座の最後の御旅所前差し上げ。法被に赤が入るのも特徴。

東御座の勢いのある差し上げの瞬間。

御池通りに長刀鉾が到着。初めての視点から。綾傘鉾の棒振り踊りも蟷螂山のからくりの蟷螂の羽根がパタパタと動くのも、放下鉾のからくり人形三光丸の稚児舞も見ることができて幸せ。

今年の祇園祭は週末で大変な人出でした。(来年も週末なので平日にお休みしにくい方にはいいのかもしれません。)

宵山には友人のご縁で函谷鉾を参拝させていただきました。鉾の中の世界も魅力的、そして鉾から見る駒形提灯の揺れる京都の町も素敵でした。

 

巡行は初めて高い視点からとなりました。まるで京都新聞の1面のような写真が撮れました。御池通りのバックの緑の強さが夏を感じさせます。

鉾がずらっと並ぶ姿は何とも壮観。素敵な方々とあっという間の楽しい一時でした。

毎年色々な視点で見るお祭には新しい魅力があります。

 

夜は実はこちらがお祭りの主役!の神幸祭。中御座、東御座、西御座の三基の勇壮な御神輿には血が騒ぎます。

八坂神社からの出立はまだ日がある頃ですが、御旅所に到着されるのは深夜近く。先導する駒形稚児も絵巻のよう。綾戸國中神社のご神体である馬を胸にいただき、幼いながら馬をしっかり乗りこなしています。

三基それぞれの特徴ある神輿振りの迫力は何回見てもうっとりします。

御旅所に三基が入られるのを見届けました。

6月もバレエやダンス色々

満席のコンドルズ公演、NHKホールも秒殺という凄まじい人気は健在。

ロビーにはアラジンの魔法のランプが…

見づらいですが左下に写っているのが特製「デコトラ」、この上と周辺を使ったパフォーマンスが行われました。ポールダンスも、バンドも…。

6月は公演も花盛りでした。

バレエはK Balletの『眠れる森の美女』、新国立劇場バレエ団の『アラジン』、英国ロイヤル・バレエの『ロミオとジュリエット』と見応えのあるものが続きました。

英国ロイヤル・バレエ団はバレエ・リュスが生んだバレエ団の一つゆえの思い入れもあります。また、現地で長年にわたって回数を見たという点ではパリ・オペラ座と1、2を争うのですが、以前に比べると色々な意味で多国籍になり、「ロイヤル・スタイル」が見えづらくなった印象だったのは残念でした。

 

 (その英国のEU脱退はギリギリで踏みとどまると想像していたので、驚きました…。世界は不寛容に、ポピュリズムに流れるようです…。)

 

ダンスはコンドルズ『LOVE ME TenDER』を埼玉で。埼玉で10作品目、結成20周年と聞いて驚きました。同じ時間をそんなに過ごしたとは…。あっという間で、20年をone decadeというのも何となく初めて腑に落ちたり。観客は大いに盛り上がり、一緒に盛り上がれたら楽しいのだろうな、と思いました。

 

やなぎみわさんの『日輪の翼』は野外、しかも雨混じりの空の下でしたが聖と俗が入りまじった世界を鮮やかに描きだしていました。トラックは撮影禁止でしたが、一見の価値あり。少し淫靡な花のようでもある不思議な空間を作り出しました。

7月は新潟公演も話題のNoismの『ラ・バヤデール』(KAAT)、小林紀子バレエ団のアシュトン・マクミランプログラム(新国立劇場)、東京シティ・バレエ団『白鳥の湖』(ティアラこうとう)と公演は続きます…。

そろそろ“祇園祭”

昨年お願いしていたものが、京都の井澤屋さんから届きました。

 先日、今年の長刀鉾のお稚児さんと禿が決定したとのニュースが流れました。ヤサカタクシーなどを傘下に持つヤサカグループの御子息だそう。兄弟でお稚児さんと禿を務められるのは福寿園の御子息以来4年ぶりだとか。

 

 今年と来年の祇園祭は完全に週末と重なるので人出は猛烈なものとなりそうですが、きっと今年もまた見た事のないお祭の姿に出会えるでしょう。毎年、夏の楽しみです。

気が付けば10年以上も通っています。

 

 昨年お願いしていた帯も届きました。

初心者ですが、上手に着こなしたいな、と思っています。

銀座でPavlova

「パヴロワ」というお菓子に私が初めて出会ったのはオーストラリア、キャンベラのバレエ・リュス展『ロシアより愛を込めて』を見に行った1999年の事でした。

 その名の通りアンナ・パヴロワが好きだったことにちなんだお菓子です。メレンゲをベースにしたレシピは様々です。『瀕死の白鳥』を得意とした彼女の雰囲気に合わせてレストランで出されたものをパヴロワが気に入った事から名前が付いたようです。ニュージーランド発祥とも言われます。私がパヴロワに最初に出会ったオーストラリアにおいてバレエはアンナ・パヴロワ、そしてバレエ・リュス・ド・モンテカルロによって広まり愛されましたが、その足跡がお菓子にも残っているとは当時考えてもみなかったのでワクワクしながらオーダーしたのを覚えています。

 

 先日、思いがけず、銀座ローズ・ベーカリーのメニューに見つけて迷わず注文しました。今回はストロベリーが沢山乗った華やかなアレンジで出てきました。

 

 オリジナルにストロベリーは乗っていなかったかもしれませんが、これはこれで華やかです。アンナ・パヴロワというよりは少し日本のバレエ・イメージに近いのかもしれない、とも思ったり…。

 日本のバレエのプレゼンテーションは他国に比べてどうも「少女趣味」に傾くきらいがあるように思います。バレエが「女性が見るもの」「女性的なもの」というイメージを強くしてしまっているのは少し残念な事だと思っています。

 日本でのバレエの伝達を考えると無理のない所もあるのですけれど、そのお話は長くなるのでまた改めて…。

バレエ・リュス展『ロシアより愛を込めて』子供向けのワークブックもとても素敵で驚きました。

招待状もとても凝っていて行く前から気分が高まりました。(見えているのは『道化』の衣裳)

招待状の片方を開いたところ、今見ても素敵です。(『シェエラザード』の衣裳)

*ASTERISK 『Goodbye, Snow White 新釈・白雪姫』~“美”は天然?それとも人工?~

アスタリスク4回目は中村うさぎ原作という珍しい公演でした。振付・演出、そして作曲もMIKEY。お二人は旧知の仲とか。

ダンスを核に表現をしていきたいというMIKEYの言葉通り、ダンスは中心にはあるけれど表現されるのは物語世界。セリフもあれば歌もあり、というエンターテインメント・ショー。フォーラムCで3日間、4回公演を満席にできるパワーに納得する観客の温度と勢いのある舞台でした。

 

物語は誰もが知る『白雪姫』の中村うさぎ新解釈バージョン。

魔女と白雪姫が「美魔女」と「天然ガール」に置き換えられ、舞台は芸能界というわかりやすく無理のない設定。

この設定とストーリーは日本&米国では広く共感を呼ぶのではないでしょうか。プラスティックサージェリーも辞さない「美魔女」(という言葉は嫌いですが、今は定着した感がありますね)をどう見るかは年齢をどう重ねるかという問題ですし、「人工」と「天然」はある意味永遠の対立項でもありますから。年代によってはぐさりと刺さるセリフも多くドキドキしながら見ていました。

 

そんなセリフやストーリーにも毒たっぷりの作品ですが、実力あるダンサー達によるダンスシーンの場面は見惚れるほどの圧倒的な迫力がある高度なものでした。

 

再演のお話も出ているそうですが、MIKEYのキャラクターが炸裂した感のある「美魔女」がキャストになるとまったく違った魅力になりそうです。

 

たっぷり楽しんだ帰途、アートとエンターテイメントについても考えてしまいました。芸術になるエンターテイメントもエンターテイメントになる芸術ももちろん存在しますからこちらは決して対立項ではないのですが…。

香港~番外編~

最終日のクロージング・レセプション

こんな趣にあるところを通って博物館へ。右の赤煉瓦はYMCA香港支部。

沢山の階段を上った先にある1906年の「香港医学博物館」こちらも赤煉瓦

先日アップしました香港で見てきた『眠れる森の美女』ナチョ・ドゥアト版。DVD発売との報が流れてきましたので、そちらをご覧になるのも一興かもしれません。

 

公演最終日はフェスティヴァルの最終日でもあり、今年はモエ・シャンドンさんのご提供で観客席全員にシャンパーニュが配られるという粋な計らいもありました。日本の文化庁長官に当たる方などのお客様も多い最終日にはセレモニーも行われましたが、深夜便で戻りましたので、グラスを飲み干して空港へ…というあわただしいものになりました。

そんな香港で初めてのところへもいくつか。

 

~香港でクレソン そして 香港医学博物館~

バレエとは関係ありませんが、フェスティヴァル取材でもう10回以上(もっとかも数えた事がありません)訪れている香港、ちょっと違う事をしてみようと調べて面白そうだったのでクレソン畑のある町へ行って来ました。小さなバスで20分ほど山を上がったところで朝食をいただき、クレソンを食べ(中華炒めがとても合うのは知りませんでした!)、そして購入しようと野菜販売のおばさんに話しかけたところ(といっても広東語はできないのでほぼ筆談)クレソン畑で一緒に摘むことになりました。摘み方もコツも教わって、写真をとるからと撮ってくださいました。若くておいしいクレソンは綺麗な水に育まれていました。なかなかない体験、楽しい一時でした!

 

そして香港医学博物館。これもまだ行ったことのない所へと思って行きました。現地へ向かうと、階段につぐ階段…低いヒールで良かったです、さすがに…。段数を数えようと思ったのですが途中で断念。

登り切るわずか手前にある1906年建設の元病院が博物館になっています。コロニアルな素敵な建物で、庭はハーブガーデンとして様々なハーブが植えられ、一つずつ効能の説明が付けられていました。

疫学から始まった香港医療について最近のSARSまで伝える展示は想像していたより面白いものでした。中国漢方の歴史より西洋医学の伝達や外科手術の歴史を「始め」とするのは今の医学会との関わりにも配慮があるのかしらと、知りたい事も増えました。

 

ちなみに今回香港へ行く前に読んだのは、以下の本。雨傘革命のさなかに行った事も、SARSのさなかに行った事もあるので色々改めてなるほどと思う内容の詰まった1冊でした。確かに最近香港の記事も本も少なくなりました…。そしてこの本の後日談的には書店主失踪など色々きな臭くなっています、これは香港だけには限りませんが。

 

『香港 中国と向き合う自由都市』倉田徹、張彧暋(岩波新書)

最終日はプログラムも違います。そしてシャンパーニュチケット付

のんびりした村にはわんちゃんも猫ちゃんもいっぱい。「なぁに?」と言いたげな表情

毎回と言っていいほど食べるハリネズミの揚げまんじゅう。今回は針が沢山細かいハリちゃんが登場。下に少し見えるマンゴーの入ったお餅も欠かせません!香港は美味しいものが沢山。

教えてもらってだいぶ上手に摘めるようになりました

パフォーミングアーツ推進実行委員会総会と弘前の桜

青森県立美術館舞台芸術総監督 長谷川孝治氏と)

 

見渡す限り桜、水辺に桜はよく合います

 

青森県立美術館といえば…の奈良美智「あおもり犬」、こちらも改修工事中にぴかぴかに。

「飛神の柵」がチケットにも。

実行委員を務めているパフォーミングアーツ推進実行委員会総会のために青森に行って来ました。

今年度、青森県立劇場で行われる公演も『アレコ』(注)にちなんだダンスはもちろん、5台のグランドピアノによるアレコ・ホールでの演奏会など楽しみな公演が色々あります。

 

美術館では「オドロイテモ、おどろききれない 網羅万障:棟方志功とその時代」展が開催中でした。若い頃の作品から彼が自分の画風を獲得していく姿を改めて追うことができる見応えるのある展覧会でした。1枚しか刷らなかったという空を飛ぶ神様である「オシラサマ」を描いたという「飛神の柵」(棟方は自作を「柵」と呼びました)は何とも鮮烈でした。

気がついたらチケットに印刷されている画像と同じでしたが、これを書くまで気付かなかったほど。やはり現物にしかない魅力が作品にはあると改めて思いました。何とも迫力のあるそして美しい色彩は今でも勢いを感じさせます。

 

会議後は弘前で観桜会。

見渡すかぎりこんもりと満開、「春の雪」も降る中を歩きました。

今年見た一番見事な桜でした。もう少しゆっくりできると良かったのですが…。夜桜はぼんぼりに灯りも入り、その美しさは是非体験したいと思いました。

 

実はこの観桜会、2011年に予定されていて、地震で中止となった後、日程や桜の開花とスケジュールが合わず、足掛け5年で実現したのでした。

 

(注)『アレコ』は1942年にピョートル・イリッチ・チャイコフスキー音楽、マルク・シャガールの美術・衣裳によってメキシコ・シティで初演された作品です。シャガールにとっては初のバレエ作品でもありました。振付はバレエ・リュス出身のダンサー、レオニード・マシーン振付で上演されました。青森県立美術館はこの『アレコ』の背景幕3枚(全4枚のうち)を所蔵しています。その幕を展示するために作られたアレコ・ホール、及びシアターで様々なパフォーマンスや演奏、上映が行われています。

 

 

 

桜沢エリカさんの出版パーティ

料理研究家のうーらさんと。手に持っているのはうーらさんによるおつまみボックス。

乾杯のご発声をされるシュークリームの吉田朗さん。桜沢エリカさんは桜が素敵なお着物でした。

今回同時出版の2冊、どちらもサイン入りでした。

 「本のにほいのしない本屋・神楽坂モノガタリ」というこだわりの本と空間のおしゃれ本屋さんで桜沢エリカさんの2冊同時出版パーティーが行われました。

 『バレエ・リュス~パリが煌めく時~』のご縁もあり、久しぶりに桜沢さんにも再会、そして今回のきれいでおいしい「うーらのおつまみボックス」を製作された料理研究家のうーらさんとも再会できました。その他、思いがけない方ともお会いできて、桜沢さんのお人柄とお仕事実績ゆえの素敵な方々の集うパーティーでした。

 

 久禮亮太さんが選ばれたと言うラインナップは何とも楽しく、2014年に発売されていたのに気づかなかった『ビリービンとロシア絵本の黄金時代』(田中友子著/東京美術)を入手することができました。ビリービンはバレエ・リュスにもゆかりの深い画家なのです。他にも欲しい本が沢山ありました。

 カフェも営業されているそうなので、神楽坂セッションハウスへ舞台を見に行く時にも便利そうです。楽しみ過ぎて開演を忘れないように終演後がいいのかもしれなせん…。

 

本のにほひのしない本屋・神楽坂モノガタリ

http://www.honnonihohi.jp/