ボリショイ・バレエ団が来日公演を行っています。初来日から60周年も話題です。最近使われなくなった言葉ですが、オーケストラ、指揮者、バレエ団の「引っ越し公演」です。
『ジゼル』を見に行きました。沢山のジゼルを見ていますが、今回のボリショイ・バレエ団の『ジゼル』、主役はもちろんですが、群舞のすばらしさやクーランド公の圧倒的な存在感と演技力も強く印象に残る独特の味わいでした。技術のすばらしさは言うまでもなく、しかも高レベルに揃っていて圧巻です。作品全体を通じて世界がしっかり立ち上がる「舞台芸術」としての美しさが堪能できました。
これから見る『白鳥の湖』、『パリの炎』もとても楽しみ。
まだ公演によってはチケットがあるようですから、迷っている方は是非!!と関係者でもないのに宣伝したくなる素晴らしさです。
以前マリインスキー・バレエ団が2000年の来日公演で『眠れる森の美女』を上演した時もあまりに素晴らしくて、帰途電車内から知り合いに見た方がいい!!とメールし続けたのを思い出しました。その振付家セルゲイ・ヴィハレフの死去の報には驚きました。ご冥福を心から祈ります。復元上演にも積極的に取り組まれ、一方で新作もとまだまだ活躍が期待されていた振付家でしたから本当に残念です…。
公演の前にロシア大使館での『ロシア・シーズン』及び『トランス=シベリア芸術祭in Japan2017』記者会見に出席しました。
政府肝いりで始まった『ロシア・シーズン』とあって副首相も出席する会見となりましたが、詳細はこれからといったところのよう。(プレス資料にも「セゾン・リュス」と「ロシア・シーズン」が混在、会見ではバレエ・リュスの「セゾン・リュス」にちなんでというようなニュアンスの発言もありましたが、バレエ・リュスの「セゾン・リュス」は1年目の準備期間はロシア帝室を背景にしていたものの、結局はそれらの援助を失ったセルジュ・ディアギレフによる興行でしたから「?」という気持ちも…。専門家はロシアには沢山いるはずですから色々な事情があったのでしょう。)
『トランス=シベリア芸術祭 in Japan2017』の芸術監督はワディム・レーピン。スヴェトラーナ・ザハーロワとは夫婦ですが、どちらも最高峰の芸術家。開催は渋谷Bunkamuraで2プログラム『SVETLANA ZAHAROVA AMORE』が9月26日、9月27日、『PAS DE DEUX FOR TOES AND FINGERS』が9月29日。(前橋公演は10月1日)
前者はザハロワの会見での言葉を借りれば「愛というテーマに貫かれた3つの作品」、まったく違う世界なので「「百聞は一見にしかず、是非両方見て欲しい」とのこと。
ザハーロワが圧倒的な美しさで、自ら日本が夫との出会いの場所だったというエピソードも披露しました。共演するデニス・ロヂキンも会見で抱負を語りました。どのような公演になるのでしょうか。