今回、私が金沢で講演したのは『踊る文豪~秋聲とダンス!~』があるからでした。
徳田秋聲は若い頃からダンスを見続けていただけでなく、何と60歳からダンスを自ら踊り始め、終生の趣味としたのです。そんな秋聲のダンスとの出会いと歩みを見せてくれる展示はとても見応えのあるもの。
秋聲はこんなにも日本のダンス黎明期に立ち会ったのか、と驚くはず。
踊ったシューズも登場しています。残っていたのも幸運な事ですし、やはり「現物」が伝える息吹というものが感じられます。
その他、作品に登場するダンスや新聞連載の際の挿絵のダンスなど、ご紹介しきれない程、楽しく興味深い展示。
1階は常設展示ですが、こちらも見どころが沢山。今回注目したいのは、再現されている1階の掛け軸。展示毎に掛けかえられているそうですが、今月はダンスとも関係の深い句。
「人魚とワルツ踊らむ月の霄」
素敵ですね。今回講演が始まる前に徳田秋聲記念館館長上田正行さまがご紹介下さった句でもあります。
2月までとまだ会期がありますので、金沢訪問の折には是非お運び下さいませ。
2階からの浅野川、梅ノ橋の眺めも素敵なので、展示を見た後で一息つきながら眺めるのも一興かと思います。これから寒い季節ですが雪景色も綺麗でしょうね。
そういえば、今回の金沢、初雪、初雹にも出会いました。
アスファルトにどんどんつもる初雹は車のライトに照らされてまるでタピオカのようでした。
徳田秋聲記念館
開館時間 9:30~17:00(受付16:30まで)
『踊る文豪~秋聲とダンス!~』は2月24日まで
*12月29日(金)~1月3日(水)は休館
http://www.kanazawa-museum.jp/shusei/index.html