世間は「黄金週間」だったようですが、普段よりマチネ公演が多いかな、というのが正直な感想。
青森県立美術館の会議に出席し、『LOVE LOVE ショー2』(1は2010年開催)展を見ました。タイトルから想像できないなかなか政治的主張も強い作品も出品されていて、こうしたものが県立で開催できるのは今の日本で良いことなのでは、と思いました。ちなみに「出逢いをコンセプトとした展覧会」とのことなので、「ラブラブ」からイメージするものとは違って当然だったのですが…。新しい奈良美智作品も見ることができました。そして2006年から11年ぶりに4枚揃った『アレコ』の幕も。(2021年3月頃まで4枚見られるとのこと)
映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン-世界一優雅な野獣』のプロモーションで来日していたポルーニンのイヴェントにも出席。奏楽堂でパイプオルガンを背景にして踊られた「Take Me To Church」は美しいものでした。久しぶりに、あぁ美しい身体(特に脚)を見たという気分でもありました。映画は7月公開、必見です!
両国のシアター・カイでは『トリスタンとイゾルデ』。勅使川原三郎氏の最近の活躍ぶりは本当に言い古された言葉ですが「目覚ましい」としかいいようがありません。あの長い作品を1時間という時間に凝縮して、触れない愛を目の前で展開する舞台でした。目が離せず、そしてもっと見ていたいと思う舞台でした。
六行会ホールでの『King of Buck』は若いエネルギーがほとばしる舞台と観客。KRUMPというロサンジェルスで生まれたダンススタイルによる公演。考えてみたらバレエでも存在しますが、10代のダンサーが活躍も目立ちます。開演前にもロビーで踊る人が…という熱さは独特です。それぞれの場面という設定で見せるのはなるほど、と思いました。次の才能、それも舞台作品を作るような方向性を期待したいなと思ってしまいます。
世田谷パブリック・シアターでは『花粉革命』。16年前(そんなに経ったとは驚きです)の笠井叡氏の踊るイメージが息子である笠井瑞丈氏のダンスから蘇る体験も独特でした。初日に見たのですが、「振り」が自分の身体にさらに入っていきそうで良くなりそうと話していたら、実際その後見た方からはそうだったという感想を聞きました。強烈で鮮やかな作品。また見たいな、と思いました。
ROSAS『時の渦-Vortex Temporum』は最初7人のミュージシャンが登場して演奏するところから始まり、ダンスはどこでするのかしらと思って見ていたのですが、まさかグランドピアノまで一緒に移動するとは。多層的な時間と音楽が重なり合うダンス作品で、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの振付家としての円熟も感じられる作品でした。
池袋芸術劇場では“タクト・フェスティヴァル2017”も見る事ができました。『月と太陽-Eclipse-』、共にバリの芸術であるガムランの演奏と影絵という他にはない組み合わせと面白さ。ワークショップも見学しましたが、かなり細かい動きができる影絵はなかなか複雑、上演中は見えませんがそれぞれに実はカラフル。楽器も一つ一つが美しく、演奏者のバティック衣裳も素敵でした。シルコ・アエレオの『ピアニスト』は笑いも、客席とのやりとりも楽しい作品。笑いが止まらない人も続出でした。
毎年恒例となった感のある羊も今回は劇団コープスの20周年とのことで、「ひつじ増量計画」との広告通り、多頭になっていました。観客も沢山。
そしておまけは30年ぶりという由比ヶ浜海岸の夜光虫。5月5日の舞台帰途、Twitterで画像を見て本当かな、とビーチサンダルに履き替えて見に行きました。想像以上の光と美しさでした。残念ながら写真は今一つですが、光のビーチ、という感じ。その後深夜2時まで134が渋滞としたと聞きましたが、これは翌日の仕事がない連休ならではかしら…。