2018年9月2日(日)ロームシアター京都、17:00~トークに登壇いたします。

ロームシアター京都 パークプラザ3階 共通ロビーにてブノワ賞受賞で日本でも知られる元スウェーデン王立バレエ団ダンサー木田真理子さんとコンテンポラリー・バレエについてを中心にお話します。木田さんからの知られざるエピソードにも期待です!

9月2日、私は2つのトークに登壇となります。予約が必要ないイヴェントですので、お近くに来られてふらっとお寄りいただく事も可能。是非お運びくださいませ。

会場でお待ちしております。

 

ロレーヌ国立バレエ団公演関連企画
木田真理子 × 芳賀直子「美しさの感性 -いま・ここで感じるコンテンポラリーバレエの魅力-」
日時:9月2日(日)17:00~ 1時間半程度を予定
場所:ロームシアター京都 パークプラザ3階 共通ロビー
金額:無料
申し込み:不要

 

https://rohmtheatrekyoto.jp/news/9798/

 

2018年9月2日(日)13:00~ ロームシアター京都、トークに登壇いたします。

ロームシアター京都、パークプラザ3階共通ロビーにて桜沢エリカさんと「ダンシングトーク!バレエの面白さとは?」に登壇いたします。桜沢さまとのトークは私も今から楽しみ。思いがけない話も飛び出しそう。

無料のイヴェントですので、まだ暑いかもしれない京都、涼みがてらでもお運びいただけましたら幸いです。

 

ロレーヌ国立バレエ団公演関連企画
桜沢エリカ × 芳賀直子「ダンシングトーク!バレエの面白さとは?」
日時:9月2日(日)13:00~ 1時間半程度を予定
場所:ロームシアター京都 パークプラザ3階 共通ロビー
金額:無料
申し込み:不要

 

https://rohmtheatrekyoto.jp/news/9693/

横浜ダンスダンスダンス

横浜ダンスダンスダンス

オープニングでは横浜カクテルコンテストでのグランプリ受賞作品“シテ・エルジェ”がふるまわれました。シナモンとアーモンドが香る一杯

横浜らしい開放的なシチュエーションで踊られる『ベイサイドバレエ』のゲネプロも。海風も心地良く、時折聞こえる船の汽笛がアクセントに…

3年に一度のダンスダンスダンス@横浜が開幕しました。

オープニング後、“ベイサイドバレエ”では『タムタム』、『ドン・キホーテ』の第3幕、『ボレロ』。ベジャール作品はこうした野外舞台にも映えるな、と改めて。

『ドン・キホーテ』の沖香菜子さんの爽やかではつらつとした踊りも印象に残りました。

 

 

この舞台を皮切りに9月30日までバレエ、コンテンポラリー・ダンスはもちろんバロック・ダンスに阿波踊りと非常に多彩なプログラムが続きます。

横浜を楽しみながら、夏休みの時期ですし、多くの方に是非ダンスにも触れて見て欲しいな、と思います。

 

 

詳細は下記:

https://dance-yokohama.jp/

イベント

2018年10月13日(土)ジュンク堂池袋にて、書店イヴェントに登壇いたします。

わくわくする佃一可氏の新著を巡ってお話を伺います。エル・グレコは実はバレエにも関係があります。そんなお話もできたら。
皆さまのお越しを楽しみにしております。

 

『エル・グレコの首飾~青柳図書館の秘宝~』佃一可著(樹村房)刊行記念 佃一可×芳賀直子 トークイベント
日時:2018年10月13日(土)19:00開場、19:30開始
会場:ジュンク堂池袋、池袋本店
入場料:1000円(ドリンク付)
申し込み、問い合わせ先:03-5956-6111
ジュンク堂池袋本店

 

サイト:
https://honto.jp/store/news/detail_041000027073.html?shgcd=HB300

2018年9月15日(土)、日比谷図書館でバレエの講演会、開催いたします。

2018年9月15日(土) 14:00~15:30(会場13:30)

日比谷図書館文化館、地下1階日比谷コンベンションホール

バレエ史っておもしろい!-2
藤田嗣治の手掛けたバレエ~バレエ・スエドワの世界

 

バレエ史っておもしろい! 第2弾として日本ではなかなか知る機会のないバレエ・スエドワを中心としたお話をします。没後50年 藤田嗣治展も間もなく開幕、その理解の一助にもなればいいなと思っています。

少し涼しくなった頃のはず、皆さまお誘いあわせの上是非お運びくださいませ。会場でお目にかかれるのを楽しみにしております。

 

リンク:

https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20180915-post_86/

アクラム・カーン振付『ジゼル』@香港

ジゼル 客席へ向かう

客席へ向かう

ジゼル:こんな撮影用パネルも登場、多くの人が撮っていました。SNS時代ならではですね

こんな撮影用パネルも登場、多くの人が撮っていました。SNS時代ならではですね

プログラムはこちら

最終公演の後、ぐるりと前も後ろも夜景が素晴らしいAQUAで、ユーリ・ンとヤンと

前評判も高く、見たいと思いながらなかなか予定が合わなかったイングリッシュ・ナショナル・バレエ団のアクラム・カーン振付『ジゼル』が日本から数時間の香港で上演されると知り、見に行きました。
大学の講義があった関係で初日のアリーナ・コジョカルがジゼルを踊る回だけは見られなかったのですが、4公演のうち3公演、同じ作品をキャスト違いで3回という作品を楽しむのに個人的にはベストと思える条件で見ることができました。

2016年の初演時の英国での評判は、絶賛もあった一方でバレエ・ダンサーを使いこなせていないという評もあり、必ずしも高いばかりではなかったのも事実です。
ですが、実際に公演を見て思ったのは、新しい時代のバレエ団の目指すべき方向、トライアルとしても非常に価値のある作品だという事です。

日本でも出発前にNHKで放映されたのでご覧になられた方も多いと思うのですが、映像でははっきり見えないところも多いことに気付かされました。舞台全体が暗めの照明のため映像では移りにくい点があるようです。特に雄弁のその場面を彩る美術は画面では分かりにくかったように思います。ハッとさせられる照明と美術の効果がその場面をしっかり物語っていて印象に残りました。

この『ジゼル』の一つのキーワードは「outcast~のけ者にされた人、追放者~」です。衣料品工場で働く女たちが工場閉鎖に伴って仕事を失い、実は地主階級(支配階級)であるアルブレヒトがそうした女性の一人ジゼルと恋に落ち、ジゼルはお腹に新しい生命を宿しているという設定。それにも関わらずアルブレヒトは婚約者であり、同じ地主階級に属するバチルダの元に戻って行きます。その背景にはバチルダの父親の圧倒的な力がある事が通常以上に表現されますが、身分を超えた恋が実らないという点では元来の『ジゼル』と同じ構造です。またヒラリオンは元来の森番としてではなく、労働者たちと地主たちの間を抜け目なく生き抜く「フィクサー」として描かれ、決して最近の「いい人」的な存在でも昔描かれていたような「死んでも仕方のない階級の男」としても描かれておらず、現在の観客に受け入れやすい設定になっていました。

ジゼルがアルブレヒトの裏切りを知って狂い、死ぬのも同じですが、これは実はヒラリオンが手を下したと言う事が2幕で描かれます。アルブレヒトはジゼルを本当に身体ごと振り払って拒絶するさまがはっきりしているなど基本的に物語を知らなくても分かりやすい振付になっているのも現代の作品らしいところ。死んでからウィリの女王ミルタによってまるで電気ショックのような表現で目覚めさせられる振付は痛々しさを伴っていて、他のウィリ達含めたこの世へ、そして自分を殺した男たちへの怨念にも近い憎悪はそうした目覚めたくなかったのに目覚めさせられた事とも関係がありそうです。

ヒラリオンはジゼルを悼む気持ちはありますが、実際手を下した者、お腹にいた子供とジゼル両方の殺人者としてウィリ達によって殺されます。また原作にはなく、アクラム版のビジュアルイメージでも象徴的に使われていた、長い杖のような棒(これはボーダー、力、剣、針と様々なものの象徴でしょう)とトゥで作られる身体の「I」のラインが強さ、怖さ、恨みをといったものを巧く表現していました。こうしたトゥと使った「I」のラインを強調する振付はニジンスカから始まった流れに位置付けることができそうです。その棒でアルブレヒトは手の平を刺されるなどはっきりとした攻撃の場面、そしてジゼルはミルタによって自分の手でアルブレヒトを殺すよう何度も迫られます。それにも関わらず守り通すのは元来の『ジゼル』と同じです。自分を捨てはしたけれど、殺した男ではなく、愛した存在であったこと、負の連鎖を止めようとする姿にも見えます。それは現代社会の負の気持ち連鎖を断ち切る運動とも重なって見えてきます。

そうして命は守られたアルブレヒトですが、彼は象徴的な壁の内側、「outcast」の側に残されるという結末。原作ではバチルダと結婚して終わる、最近ではお墓の前でジゼルを悼みながら終わるというのとも違う、新たな孤独、新たな「outcast」を生んだ恋として描かれていて印象的でした。

シンプルとも言える舞台後方の可動式で時に回転する1枚の厚い壁というインパクトのある美術は照明の効果と相まってそれぞれの場面を浮かび上がらせ、語らせていました。音楽は時折耳慣れた『ジゼル』の旋律が響くものの、基本的には新しく作曲された音楽で、効果音や、サイレンのような音(角笛の部分イメージ)が使われるなどオーケストラを入れながらもハイブリッドなもので、作品世界を盛り上げていました。元来の『ジゼル』のイメージで見る人にも分かりやすいと言えそう。衣裳・美術は香港出身のTim Yipによるもので身分差の見せ方もうまく、効果的でした。個人的には事前にみたYoutubeでのウィリ達の衣裳の裾の細かな「汚し」作業が生きた効果に釘づけでした。裾をとても細かくハサミで切り取り、さらにヤスリをかけて薄くすることでふわっとした広がりが生まれ、踊った時に何とも儚く美しかったのです。

ロマンティック・チュチュでは出せない、アクラム版の設定である労働者である女性達の労働によって擦り切れたともみなす事のできる衣裳とこの世のものではない浮遊感の両方を表現することに成功していました。淡いブルーをベースに泥水を吸ったようなグラデーションのある衣裳の色で決して美しいだけでないのですが、それが新しい『ジゼル』を成立させていました。
男性、自分たちを殺した社会、に対しての怒りの表現が強いウィリでしたが、照明によって消え入りそうに見える裾のふわふわとした感じが愛の儚さであったり、この世から離れたふと消えゆく存在としてのジゼルを際立たせていました。

3つの配役から作品の魅力と可能性の両方を感じることができました。同じ振付でも違うのがやはりバレエの醍醐味の一つ。
刃のようなキレのある動きを見せる猿橋賢のヒラリオンも強い印象を残しましたし、エリック・ウールハウスのヒラリオンはより縦のラインを強く感じさせる表現で自分の存在の在り方そのものも分断されている事まで表現していると感じました。ミルタは一番冷徹な印象を与えたのはStina Qugebeur。SarahKundiはそうしなくてはならない存在だから行動するものの、底に悲しみと矛盾を抱えた存在として演じていると感じました。アルブレヒトは圧倒的にIsaac Hernándezの表現が胸に迫りました。本当に愛おしくジゼルを思い、幸福感溢れる前半の表現が印象的だからこそ、ウィリになったジゼルにどうぞ自分を殺してくれと、力なく腕を開いて見せる場面が浮き上がりました。またこの腕を両方に軽く開いて見せる動きは最初にジゼルと動きが初めて連動する、つまり心のつながりができた瞬間の動きでもあって、胸に迫る場面でした。

アクラム・カーンならではのまるでスクラムのように組んだダンサー達がうねうねと動いて中央にいるジゼルを差し上げたり、隠したりする、「フォルム」としてのダンサーの集団的な身体の面白さなど印象に残る場面がいくつもありました。
既に十分ここに書く文章としては長いのですが、久し振りに本気で「批評」を書いて見たくなる『ジゼル』でもありました。(書きたい事が沢山あります…)

ジゼル役では高橋絵理奈は心破れる表現が印象に残りましたし、2回目のジゼル、Crystal Costaは心の底からアルブレヒトを恋い慕い募る想いを断ち切られることが見える踊りでした。楽日のタマラ・ロホは圧倒的にその役を自分のものとして踊りました。前半の純度の高い幸福感を踊りきる事で、後半の悲劇を、そして裏切られてもなお許すことを選ぶ姿に説得力がありました。
Crystal Costaは以前香港バレエ団に所属されていたことを多くの観客が気付いていたようで(近くの席の方もプログラムで見つけて隣の人に指さしながら話していました)他のダンサーにもまして客席から暖かく迎えられていたように感じました。

タマラ・ロホが芸術監督に就任してから、攻めの姿勢が続くイングリッシュ・ナショナル・バレエ団ですが、この作品は看板の一つになったと言えそうです。来日公演で見られなかったのは本当に残念ですが、日本の興行関係者が来られたと関係者から聞きましたので、いつかは見られるのかもしれません。

<見た主な配役は下記の通り>
ジゼル:高橋絵理奈/アルブレヒト:James Steeter/ヒラリオン:猿橋賢/ミルタ:Sarah Kund
ジゼル:Crystall Costa/アルブレヒト:Aitor Arrieta/ヒラリオンErik Woolhouse/ミルタ:Isabelle Brouwers
ジゼル:Tamara Rojo/アルブレヒト:Isaac Herández/ヒラリオン:猿橋賢/ミルタ:Stina Quagebeur

香港&香港&香港…

90年代から通い続けている香港芸術フェスティバルですが、今年は個人的にとりわけ興味深い演目が多く、チューリッヒバレエ団の『アンナ カレーニナ』、ABTの『ホイップド・クリーム』そしてジョッキークラブプレゼンツの『コンテンポラリーダンスシリーズ』を見に通いました。
年々「plusイヴェント」という名で開催されるワークショップやバックステージツアー、そしてトークイヴェントと充実度が高く、ほとんど1日劇場の中をウロウロしている感じですが、作品やカンパニーをより深く知ることができる楽しいひと時です。

次の香港はアクラム カーン振付のイングリッシュ・ナショナル・バレエ団の『ジゼル』、と思っていたらその前に香港バレエ団が初めて開催する「バレエ・シンポジウム」があるとのお招きがあり、1回目ですし是非と1泊弾丸で参りました。ほとんど毎月のように言っている計算になります。

シンポジウムは1日でしたが、盛り沢山な内容がつつがなく終了。もっと深く聞いてみたこともありましたが、充実した時間でした。アジア圏のこうしたシンポジウムはなかなかないので、続いて拡大いていったらいいな、と思っています。日本からはスターダンサーズ・バレエ団の小山久美さまがパネリストとしてご登壇され紹介された『ドラゴンクエスト』は注目を集めていました。現代の日本で想像されるゲームのバレエは新鮮だったようです。

香港バレエ団の公演は意欲的なトリプルビル。クリストファー・ウィールドン『ラッシュ』、アレクセイ・ラトマンスキー『動物の謝肉祭』、トレイ・マッキンタイヤ『ア・デイ・イン・ライフ』。広告ビジュアルの鮮烈さも印象的。

今週末もまた、アクラム カーン振付、イングリッシュ・ナショナル・バレエ団の『ジゼル』を見に出かけます。4公演4キャストという豪華版。私は3公演見る予定です。

フィリップ・ドゥ・クフレ『新作短編集』29日から開幕!

楽屋通路には掲載誌&紙面が沢山!

夜闇に光る彩の国さいたま芸術劇場。中央にドゥクフレ公演のポスターが…

ドゥクフフレを初めて知ったのは1992年のアルベールビルオリンピックの開会式・閉会式の演出家としての事でした。
そんなに昔だったとは思えないほどそのイメージは鮮烈であり続けています。
開会式を見た祖母が面白いと教えてくれて、閉会式を見たように記憶しています。ユーモアがあって、奇想天外なわくわくするような演出でした。

一定の年齢の方の中にはそんな出会い方をした人も多いだろうドゥクフレの『新作短編集(2017) Novelles Pièces』公演が開幕します。

一足お先に見てきました。
5場のどこが好きかはきっと人それぞれ、これまでのドゥクフレがギュッと詰まった作品と言えそう。
初めての人も、これまで見てきた人もきっと楽しめる作品だと思います。

公演

2018年6月29日(金)19:00開演
6月30日(土)15:00開演
7月1日(日)15:00開演
30日公演後にはカンパニーメンバー参加のポストトークも開催されるとのこと。

詳細

http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/4871

ロームシアター京都のパンフレットに書きました。

パンフレット表紙

毎年、興味深いラインナップが並ぶ「京都エキスペリメンツ」。

今年のプログラムにはロレーヌ国立バレエ団が入っています。現在のバレエ団らしいトリプルビルはとても楽しみ。

そのご紹介と背景などを書いたロームシアター京都のパンフレットがリリースされました。

 

 

ネットにも近く違うバージョンの文章が公開予定ですので、公開され次第こちらでお知らせいたします。

暑い夏の京都の暑い舞台、是非お運びください。