2016年はこれ!という舞台を逃した傾向があったかもしれません。ノイマイヤー・ガラの評判を聞くと見られなくて残念…とか。
そんなですが、舞台色々からは下記の通り。
- 『忘れろボレロ』@DDD
- 『横浜ダンスフェスティヴァル2016』@神奈川県民ホール
- 『ルーツ』@KAAT
最近見る度に面白いな、と思うダンサーの一人が大植真太郎氏。
ものすごく動ける器用な身体で徹底的に遊んで見せる感じが突き抜けていて面白いのです。笑いの要素もあり、観客層が若いという印象もありますが、それも納得の面白さと実はすごいことをやっている身体の面白さに惹きつけられます。『談ス』も面白かったです!
横浜ダンスフェスティヴァルは既にこちらで取り上げていますが、作品ラインナップがとても工夫されていて、かつ高いクオリティだったのが印象に残っています。バレエしか見たことがないと思しき観客が帰途、見たことがないけれど面白かったと会話しているのが聞こえ、遠藤康行さんの意図がきちんと伝わっているのだなと感じました。
私は実はあまりガラ公演に強い関心を持てない事が多く、こちらも当日やっぱり見ようと思って行ったのですが、友人を誘えば良かったと思いました。
ガラがあまり好きではないというのは、「福袋」的な面白さは確かにありますし、そこでしか見られないパートナーや作品の面白さはあるのですが、表現としてできれば一つの作品を踊る姿の方をより見たい、と思ってしまうからです。
もちろん最近では小作品を踊りきるということありますが、一部を上演する場合どうしてもガラ向きの表現になるのが少し残念に感じられてしまうのです。
ちなみにトリプルビル、ダブルビルは好きですし、もう少し色々上演されたらいいのに、と思っています。現実的には全幕に比べて日本ではまだどうしても集客が厳しいそうで、その点も残念だと思っています。
年末間際に見た『ルーツ』は何とも色々考えさせられる公演となりました。
時代のカナリア的な存在として言葉を扱う演劇の方が表現しやすいのかな、とも思いました。まるで第一次世界大戦前のような空気が世界を覆う中にあって生まれ、印象に残る作品になったのではないかなと思います。
出演者のインフルエンザのための公演中止(楽は上演)は何とも残念、関係者の無念さを思うと言葉が出ません。
でも感染症とても増えています。色々大変な世の中になったのだと、改めて思います。
その他、ミラノ・スカラ座もカンパニーとしての魅力あふれる舞台でしたし、踊り続けるプロジェクト大山も「働く女性」としてのダンサーについても思いを巡らせた舞台となりました。(公演後のトークでそうした話題が出たものですから。)