ロシア大使館の迎賓館でマリインスキー来日100周年展が行われるとお招きを受けました。その様子はNHK,テレビ東京でも放映されたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
初めて来日したダンサーがバレエ・リュスにも参加したロシア帝室劇場のエレナ・スミルノワ、ボリス・ロマノフ、そしてオルガ・オブラコワであったことはもう少し記憶されるべきだと思うので、いい機会だったのではないでしょうか。
そして、日本で初めて『瀕死の白鳥』を踊ったのが(ロマノフ演出とありますが)スミルノワであることももう少し記憶されてもいいでしょう。
今回、来日が「マリインスキー劇場バレエ団」の初来日とされていましたが、これはセルジュ・リファールの1953年の来日が「パリ・オペラ座」来日とされるようなものでしょうか。実際は3名が来日、当時の公演プログラムには「PROGRAMME of the Imperial Theatre inPetrograd the Prima-Ballerina Mme. Smirnova, the master of Ballet, Romanoff and others」となっており、開演はいずれもマチネ1時でした。
10の小作品が上演され、その中には時世をうつす「三國同盟」という作品も上演されています。残っていない作品も多いラインナップです。
今回の出品は50点程ですが、珍しい資料も多く専門家にはとりわけ大変興味深い展覧会でした。
すべて複製でしたので、バレエ会場ロビーなどでもっと多くの方の目に触れることができたらいいな、とも思いました。
スミルノワ、ロマノフ公演については最近新しい事も分かりつつありますので、少し研究が進むかもしれません。