草原の画家オゴンバイラ氏のほっこり心がゆるまる展覧会、本日まで! @銀座大塚家具1階特設ギャラリー

今回のメインビジュアルのうさぎたち。タンポポとうさぎが好きな私にはたまらない一枚です。写真では上手に撮れませんでしたが、毛並みが本当に触りたくなる質感

モンゴルの好青年オゴンバイラ氏とギャラリーマダム和田結花氏と一緒に撮っていただきました。右に写っている猫ちゃんたちも本当にかわいいのです

間際のお知らせになってしまいましたが、この殺伐としたニュースの続く中、見ると誰もがきっとほっこり心がゆるまるような展覧会が銀座 大塚家具1階特設ギャラリーで開催中です。

モンゴルの草原で実際に目にしてきた動物たち、回想の美しき子供時代、ふわっと心が温かくなるタッチで持ち帰りたくなるものも…。

一方でお能に想を得たという、何とも雰囲気のあるイメージの膨らむ一枚もあります。

本日までの開催ですが、銀座のアクセスのいい場所ですのでお買い物のおついでにでも是非。

 

草原の画家 オゴンバイラ展

2017年2月4日~12日

10:30~19:00

IDC大塚家具 銀座本店1階特設ギャラリー

 

※この投稿は2017年2月12日(日)に行われました

コンペティションII 新人振付家部門@横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース 2017年2月9日、10日

今回は残念ながら他の仕事の関係でコンペティションは見られず…。荒氏は注目のダンサーだと思いますが…。

風情ある赤レンガ倉庫。この中で熱戦が…

Yokohama Dance Collectionも中盤になってきました。見た事のない新人にも出会えるコンペティションIIを2日間見ました。25歳以下、36名の中から映像・書類審査を経て選ばれた12名の振付家による作品。

 

雪もちらつく中の開催。1日目は電車が遅れて1本目の横山八枝子氏の作品は見ることができませんでした。その他11本を楽しみました。

 

見られなかったものがあると「良かった」と聞いてとても悔しくなるものですね…。

 

審査結果は出ていませんが、1日目の永田桃子『Brain in a vat』は衣裳のイメージなどが細やかで、世界観がはっきりとしていました。また振付の中の様々な質感のある動きが私には心地良く、あっという間の10分でもっと見ていたい、見てみたいと思いました。

2日目は下島礼紗『オムツをはいたサル』は“キワモノ”と言ってもいい作品だと思いますが、チャレンジングな作品であったことは確かです。久しぶりに聞いた麻原彰晃ソングはなかなか衝撃的でした。久保田舞『草みちでのくだる会話』は会場の柱を巧く使ったり、光の演出を多用するなど工夫が見られました。

10分という時間でどこまで見せられるか、どう見せるか、色々なチャレンジが見られました。

授賞の発表は12日19:00。選ばれるのは誰になるのでしょうか。

 

審査員は伊藤千枝(珍しいキノコ舞踊団・振付家・演出家・ダンサー)、ヴィヴィアン佐藤(美術家)、柴幸男(劇作家・演出家/ままごと主宰)、浜野文雄(新書館「ダンスマガジン」編集委員)。彼らの判断が楽しみです。

JaDaFo賞選考委員会~寒い日の熱い議論~

この中で熱い議論が…。

今年もこの季節になりました。

委員会に行く道に雪が残っていた年もあったな、と思い出したり。

 

発表は3月、ですが、1月のある日、JaDaFoのメンバーが集い、JaDaFo賞の選考委員会が行われました。

必然的に昨年のダンス・シーンを振り返る事にもなります。

それぞれの委員の言葉からは、「ダンス」というものの定義、「何を求めている」かが浮き彫りになり、楽しい一時でもありました。

 

自分とは違うけれど、納得、だったり、やっぱり違う、と思ったり。

いつもこうした生々しいヴィヴィッドな議論が活発に行えたらいいのに、と毎年思います。

 

結果はまた改めて情報解禁日にお知らせしたいと思います。

勅使川原三郎『Scheherazade』

吉祥寺すずらん商店街の先にある入口の看板

ポスター

会場入り口のインスタレーションのようなしつらい

新年、いい舞台が続いて幸せです。

こちらの『Scheherazade』は昨年の『牧神の午後』に続いてのバレエ・リュス作品。ニジンスキーがその名声と人気を確固たるものにした作品『Scheherazade』を勅使川原三郎が振付、出演と聞いて楽しみに行きました。

 

何よりも音楽に惹かれたという勅使川原氏の言葉に納得。

音楽の間の波の音もまた、独自の空気を生んでいます。

 

イダ・ルビンシュテインが初演で踊った寵妃ゾベイダ。イダはプルースト、ダヌンツォといった錚々たる顔ぶれの熱心ファンをもつことになるダンサーです。そのイダの残された写真のイメージと、佐東利穂子の縦のライン、ほっそりとした身体のイメージは重なり、より洗練された印象。孤独でありながら官能的、背後の照明が時に月にも湖にも見え、湖ならば「白鳥の湖」の涙でできた湖も想起されます、見ていて様々なイメージが触発されて頭に浮かぶ表現力も魅力です。

 

元々の作品はトルコのハーレムを舞台とした不貞の物語です、妻の不貞を知って狩りに行くと見せかけて戻ってきたシャリアールとその一軍にゾベイダお気に入りの「金の奴隷」(これをニジンスキーが初演)を含め全員が切り殺され、ゾベイダの助命の祈りも聞き届けられず自害するといういわば愛欲と血の物語。そうした物語があのきらびやかな音楽と「官能的な」と評されたバクストによる鮮やかな色彩の中、ミハイル・フォーキンによる振付で上演され、上流階級を中心としたパリの観客に熱狂的に支持されたのです。美しさが圧倒する背徳感が作品の大いなる魅了だったと言えるでしょう。

 

今回はそうした物語をなぞるのではなく、音楽を踊る、と勅使川原氏は言われていましたが、どこか牧神的であったり、「解き放たれた野獣のよう」と評された官能的な獣のような魅力がほとばしった「金の奴隷」のイメージがちらちらと万華鏡のように入れ代わるイメージでした。何回かある暗転の前の首をきるような振りは奴隷の未来でもあり、物語を完全に無視しているといわけではありませんが、それはサイドストーリーのようなものと言ってもいいかもしれません。

 

カラスアパラタスという独自の空間の中で、広がりを感じさせる身体はさすがとしか言いようがありません。

特に残像のように残る腕、足の軌跡は勅使川原氏ならではで堪能しました。もっと見て居たいと思う舞台でした。

1月6日初演のこの舞台、14日までです。今回こそ本当にどうにか再訪をと思っています。おすすめです。

 

オフィシャルサイト:http://www.st-karas.com/karas_apparatus/

チケット予約:updatedance@st-karas.com

新年あけましておめでとうございます。

「ナタリア・ゴンチャロワによる舞台美術デザイン、THE RUSSIAN BALLET IN WESTERN EUROPE,1909-1920, W.A. Propert, JOHN LANE THE BODLEY HEAD LIMITD, London 1921 (500部限定書籍)より」

 

ゲラン、金鶏

『金鶏』の「シェマハの女王」を踊るイリーナ・バロノワ(バレエ・リュス・ド・モンテカルロ)、RUSSIAN BALLET, camera studies by Gordon Anthony, Geoffrey Bles, London1939より

ゲラン、「LIU」の広告、1930年のオペラ・リュス・ア・パリ(バレエ・リュス・ド・モンテカルロのいわば前身)の公式プログラムより

 

全てNaoko Haga Collectionより

明けましておめでとうございます。

今年の世界が穏やかなものになるよう、祈らずにいられません。

 

2017年は酉年、それにちなんでバレエ『金鶏』のご紹介から新年を始めたいと思います。

 

『金鶏』はバレエ・リュスで1914年に初演された後、バレエ・リュス・ド・モンテカルロによって再演され、長く踊り続けられたオペラ・バレエ作品です。

作曲はリムスキー・コルサコフで、彼の最後のオペラ曲。当時のロシアでは上演が許されず死後、1909年のモスクワで初演されました。それを見たディアギレフとブノワはバレエ・リュスの結成当時からこれをいつか上演したいと思っていたので、バレエ版として初演されたのです。

 その豊かな音楽とナタリア・ゴンチャロワによる鮮やかな色彩はバレエ・リュスを見慣れた観客も虜にする魅力を放っていました。バレエ・リュスが常に発信しつづけた、「最新のロシア」の魅力とロシア民話という「ネイティブなロシア」の魅了の両方を持つ作品でした。

 

1929年にバレエ・リュスが解散した後、1937年にバレエ・リュス・ド・モンテカルロで再演され、人気演目となりました。映画『バレエ・リュス~踊る歓び、生きる歓び~』では「金鶏」を踊るタチアナ・リアブンシスカの当時の姿を見ることができます。

 

この作品にちなんだ香水「金鶏」がゲラン社によって発売されたことは案外知られていないかもしれません。

ディアギレフは現在も売られているゲラン社の香水ミツコを愛用していたと伝えられていますし、バレエとのご縁も深いのです。

 

香水「金鶏」は調香師ジャック・ゲランによって1937年に発表されたものですが、彼は、バレエ『エスメラルダ』にちなんだ「Jasmiralda」という香水、ジョゼフィン・ベーカーのための「Sous le Vent」、オペラ『トゥーランドット』にちなんだ「LIU」(これは2012年限定で復刻されています)や貞奴のロイ・フラー劇場での公演成功をうけて「Yakko」を発表するなど劇場文化とも近しい香りをいくつも発表しています。残念ながらいずれも現在では失われた香りです。

 

「金鶏」は公式サイトによれば「ディアギレフのバレエ・リュス」へのトリビュートとして調香したと書かれています。その1937年は『金鶏』がバレエ・リュス・ド・モンテカルロによって再演されることが発表された年です(上演は1938年)。

香水瓶がタイの形になっているのはディアギレフの劇場での装いからとのこと。

 

1956年に廃盤になっていたのですが、2014年のクリスマス限定として復刻されたのが写真のもの。

世界で29個だけのバカラによる限定モデルも発売されましたが、私が持っているのは一般に販売されたモデルで、香水ではなく「金鶏」の香りのゴールドのパウダーが入っています。髪にも肌にもまとえます。

 

今年は酉年ですから、新年をこの香りと黄金の煌めきで始めたいと思います。

 

皆さまにとって素晴らしい一年でありますように!

そして世界にとっても。

 

今年もよろしくお願いいたします。

 

芳賀直子

クリスマスに『ミルピエ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』公開!

映画にも出てきますが、パリ・オペラ座の屋上から見るパリが一番好き。こんな懐かしいものが出てきました。

12月23日からBunkamuraにて『ミルピエ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』が公開されます。レビューを下記のサイトで執筆しています。

 

http://www.danceartcenter21.com/book-cinema

 

また、同時公開の『ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿』は見ると本当にスカラ座に飛んで行ってしまいそうになる映画。どちらも試写で拝見しましたが、バレエ・ファンだけではない方々が楽しめるのではないかな、と思います。

 

パリ・オペラ座は本当に美しい劇場。パリに行くと朝から夕方まで図書館、そしてホテルに戻って着替えて夜も再びと言う事も多い愛着もある劇場です。その中で起こっていたことがこうして映像として残るのは異例ですから、資料としてもとても貴重だと思います。

パリでバレエ・リュス関係~2016-2017年~

バクスト画集より「オーロラの衣裳デザイン」。これが出品されているかはわかりませんが、バクストが生前に出した画集に掲載されている原画は出品予定のようです

最近は残念ながらあまり多いとは言えないバレエ・リュス関連のイヴェントですが、11月22日から3月5日までパリ・オペラ座内のギャラリーで「バクスト~バレエ・リュスからオートクチュールまで」という展覧会が開催されます。

個人コレクションからの出品もあるようです。カタログが出るのかどうかはまだ分かりませんが、出るといいな、と思っています。

サイトは下記のところ。

 

https://www.operadeparis.fr/visites/expositions/bakst-des-ballets-russes-a-la-haute-couture

 

バレエ・リュス関係、といっていいでしょうもう一つ日程が重なりませんが、3月21日から9月3日までピカソ美術館では「オルガ・ピカソ」という展覧会が開催されます。ピカソ美術館の所蔵は膨大なので、見たことのないものも出品されそうです。

http://www.museepicassoparis.fr/a_venir-2/

 

これは私の記憶ではもう少し前に開催されると昨年リリースが出てその後延期になったのか、先日検索したら出ていました。

 

どちらも気になります…。

藝大プロジェクト2016「サティとその時代~世紀末からベルエポックへ~」

楽屋通路で左から山村さま、私、小鍛冶さま、小沼さま

藝大ならではの邦楽のご案内なども

時がすぎるのはあっと言う間で、藝大プロジェクト、サティ生誕150周年イヴェントも11月6日、無事終了いたしました。

 

鼎談、お聞きになった方はどうだったでしょうか?

小沼さんのスムースな信仰で、楽しくてあっという間でした、もっとお三方のお話を伺いたかった!

そしてアニメーション『パラード』はバレエのイメージも重なる洒落たもの、演奏された『パラード』はやはり本当に革新的、と感じましたし、他の楽曲もとても100年も前とは思えない瑞々しい感性が感じられると思いました。

客席からは見えにくかったかもしれませんが、本物のタイプライター、空の瓶、サイレン、水(これは水に石を投げ込む形で、楽譜が指定しているバケツの水を流すはさすがに会場ではできませんでしたが)が使われていました。

写真を取り忘れてしまって残念。

 

藝大の学生さんがバレエ・リュスに関心があるとお声かけ下さって感激しました。若い方にバレエ・リュスがもっともっと愛されてら、と思っております。

 

来年はパラード100周年。

欧州でのイヴェントもまだ、聞こえてこないのは何故? もう少し探してみます…。

ご来場、ありがとうございました。

日比谷カレッジ、大変多くのお客様にお越しいただき、無事終了することができました。
ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

熱心なお客様で埋まった会場はとてもお話しやすい雰囲気で、楽しく、あっという間の2時間でした。少しでもバレエ史の面白さ、豊かさが届いていたらいいな、と思っています。

早速、エレガントで素敵なアロマセラピストの平野佐和さまがサイトに紹介して下さいました。
http://sawaroma.blogspot.jp/2016/10/blog-post.html

 

 

次回は鼎談11月6日「サティとすばらしき仲間たち」(上野、奏楽堂)に登壇いたします。

 

これはサティ生誕150周年の藝大イヴェント最後を飾るイヴェントです。
素敵な『パラード』のアニメーションが見られるのも楽しみですし、鼎談終了後にはコンサートも、という盛りだくさんな会です。
お越しをお待ちしております。