2020年最後の “クリスマス・スペシャル” オンライントーク開催のお知らせ

バレエ・スエドワ100周年について微力ながら全力でお伝えしてきて2020年最後のトーク・イヴェントを開催いたします。

 

これまで3回にわたってご紹介した姿に加え、新たな機材導入で可能になった、これまでの画像という形だけではなく、展覧会でも通常の講演やトークでもできない、100年以上前のバレエ・スエドワの芳賀直子所蔵のコレクションを実際にお見せしながらお話しするクリスマス・スペシャル編としてお届けします。

 

日本では私しか持っていないコレクションをみられる貴重なチャンスでもあります。
是非ご参加下さいませ。

 

タイトル: バレエ&ダンスの話/トーク・アバウト・バレエ&ダンス #4クリスマススペシャル

開催日時:20201222日 19:3021:00Zoom 

料金:2000円(税込)

お申込み:https://peatix.com/event/1718614/view

 

前回同様70分のトーク、20分の質疑応答時間を設けます。
皆様のご参加お待ちしております。

★当日配信URLは開始30分前にメールにてZoomURLならびにID/ PWと併せてお知らせいたします。事前に「@Peatix.com」「@zoom.us」のドメインの配信許可をお願いいたします。★

12月9日(水)14:00~トーク(リアル)登壇のお知らせ

少し先ですが、江口隆哉生誕120周年の下記イヴェントに登壇いたします。日本のモダンダンス史に欠かせない人物「江口隆哉」の公演に付随したトークイヴェントです。
私のセクションでは今年100周年のバレエ・スエドワを主宰したロルフ・ド・マレの仕事もご紹介予定です。他の登壇者の方々のお話が個人的にもとても楽しみな会です。是非お運びくださいませ。

先着40名と狭き門、のような気もしますのでお早めにどうぞ。

 

イヴェント詳細:

シンポジウム「我が国のアーカイヴ~歴史的遺産、再演の現状~」石井小波、江口隆哉、クルト・ヨースについて

開催日時:2020年12月9日14:00開講
開催場所:アルカディア市谷(私学会館)琴平の間
料  金:2000円(税込)
イベントチラシPDFファイル

 

お申込み先:

一般社団法人 現代舞踊協会

URL:http://www.gendaibuyou.or.jp

E-mail:office@gendaibuyou.or.jp

★12月25日(金)クリスマス当日には「後継たちによる競演」として再現上演含めた公演が行われますのでこちらも是非。

ご参加ありがとうございました。

トーク・アバウト・バレエ&ダンス#3 スウェーデン貴族ロルフ・ド・マレの華麗なる生活~そこから生まれたアート~へご参加いただきありがとうございました。

 

9月から月1回ずつ開催したZoomトークですが、少しでもバレエ・スエドワ、そして主宰者ロルフ・ド・マレの魅力をお伝えできていましたら幸いです。

 

11月はZoomトークはお休み、12月に年末ですし、ちょっとスペシャルなバージョンでお届けしたいと思います。ご期待下さい。

 

また、10月中にこれまでの3回分の内容について撮りおろし(使用画像はZoomとほぼ同じ)で配信予定です。

 

詳細決定次第こちらでまたお知らせいたします。

『Monsieur』の表紙

<美に囲まれて~2~>

◆ 2 ◆ 世界初の男性ファッション誌「Monsieur」

マレの仕事が多岐にわたっていたことはこちら紹介してきた通りですが、こんなことも?ということもしています。

『Monsieur』というのは世界初の男性ファッション雑誌ですが、これはマレが考え創刊したものでした。経営は変わりましたが、現在も「世界初の男性雑誌」というコピーと共に出版され続けています。

https://www.monsieur.fr/

 

現在、男性ファッション誌の存在を疑問に思う人はいないと思いますが当時、女性ファッション雑誌は数々ありましたが、男性用は存在していませんでした。1900年代のダンディーが流行った時代も雑誌が流行源ではなかったのです。

マレ自身がスウェーデンでの青年時代に「ダンディ」なファッションに身を包み、身近に多くのダンディな存在がいる環境で育っていました。そして、ファッションはなくてはならないものでもありましたから雑誌の創刊は極めて自然な事でしたが、それまでなかったという事を考えると男性のファッション観という点でも極めて現代的な感覚をマレがもっていたことが分かります。

雑誌は1920年創刊、バレエ・スエドワ結成の年です。

この雑誌ではもちろん、バレエ・スエドワは雑誌にしばしば取り上げられましたし、ジャン・ボルランもモデルとして紙面に登場しています。また、美しい男特集といった企画も行われました。

男性を「美しい」とあからさまに紹介するのもこの雑誌が始めた事でした。ゲイ雑誌ではありませんでしたが、そうしたテイストは明らかに入っており、また読者は両方をまたいでいました。

 

つまり、マレは舞台芸術の世界からだけではなく、ファッションという切り口からもバレエ・スエドワを紹介しようとしていました。当時、バレエは確かに「ファッショナブル」な存在でした。

ですが、それを自覚的に切り口として見せようとしたバレエ団はありませんでした。バレエ・リュスはそのように捉えられることを否定はしませんでしたが、自らファッションという切り口で紹介させる、という発想があったとは言えません。(もちろん、すでに有名だったクチュリエシャネルデザインの衣裳のバレエ『青列車』は疑いようもなくファッショナブルなものではありましたけれど)

自らのバレエ団とその活動をどうやって見せるか、伝えるかということを熱心に、今の私からみたらとても妥当な、ただ当時では新しい切り口で紹介したというマレの側面は重要なはずです。

今だからこそ、バレエやダンスをそこに関心が必ずしもない層にどうやって届けるかという事を多くの人が考えるようになりましたが、当時は固定の観客で回していけた時代です。そうした中で、自身の活躍をより広く、多彩な切り口から紹介したマレの新しさは彼のダンス観ともつながっています。

 

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12回、お読みいただき、ありがとうございました。

まだまだ彼の人生、バレエ・スエドワの個別の活動などご紹介したいことは尽きませんが、ひとまずこちらで連載は予定通り、終了します。

8月6日、ズームトークでお目にかかります。

ご参加お待ちしております。

『Monsieur』の表紙

1920年10月号の『Monsieur』の表紙。『ディヴァーシュ』を踊るジャン・ボルランの姿を舞台袖から見ているファッショナブルな男たちが描かれている。

マレとレジェ

『スケーティング・リンク』のイメージソースの取材のために、「労働者階級」のファッションに身を包んだフェルナン・レジェ(左)、ロルフ・ド・マレ(右)

1920年に雑誌に掲載されたイラスト

1920年に雑誌に掲載されたイラスト、バレエ・スエドワのスタージャン・ボルラン、バレエ・スエドワの名がはっきりと確認できる

ジャン・ボルラン

ジャン・ボルランは『Monsieur』に登場しただけではなく、パリ、デビューの1920年には演劇雑誌『LA RAMPE』(1915年創刊)のカバー・ガールならぬ、カバー・ボーイとして登場

note始めました。

今始めるべき!というお知恵をいただき、note始めました。

HPよりもその時ならでは、な話題を中心にご紹介しています。

特に今は限定公開の素敵な舞台作品が沢山。全部は無理ですし、情報が山ほど入る今だからこそ、私のアンテナにかかったこれは!というものをご紹介しています。

よろしければHPと合わせてごらんくださいませ。

https://note.com/naokohaga

 

プロフィールアイコンは見てすぐわかる方もいらっしゃるかもしれませんが、パリ・オペラ座の中。うってつけのが写真フォルダの中から見つかり、一人ほくほくしました。

バレエ・スエドワ100周年記念公演@シャンゼリゼ劇場

1937年のシャンゼリゼ劇場プログラム表紙

2020-2021のシーズンのパリの劇場プログラムが続々発表されています。

シャンゼリゼ劇場も発表されました。

 

シャンゼリゼ劇場はロルフ・ド・マレが借り上げてバレエ・スエドワの本拠地としていた劇場。

バレエ・スエドワ関係の上演は2つ入っていました。

 

1.10月11日『エッフェル塔の花嫁花婿』へのオマージュ作品が若年年齢層向け公演として

11:00/15:00

1973年にJean Christophe Averty(1928~2017)によってつくられたアニメーションです。これは未見です。

https://www.jeanine-roze-production.com/spectacle/les-maries-de-la-tour-eiffel-2/

これかもしれません。

 

2.スウェーデン王立バレエ団の『バレエ・スエドワ・プログラム』上演

内容は9月にストックホルム王立劇場初演と同じです。

10月15,16,17日20:00/ 18日16:00の4公演

初演された劇場でも見たいけれど、本国でも見たい…、いっそのこと両方?悩ましいところです。

https://2021.theatrechampselysees.fr/saison/danse-1/royal-swedish-ballet-nicolas-le-riche

ちなみにスウェーデン王立バレエ団には今期からニコラ・ル・リッシュが芸術監督に就任しています。90年代のパリ・オペラ座の黄金時代のダンサーの一人です。彼はジェローム・ロビンスの『牧神の午後』が個人的には忘れられない公演の一つです。

 

チケット発売は9月なので、スウェーデンで見てから考えてもいいのかもしれません。そもそも本当に上演が実現するのかもまだまだ予断を許しませんが、ここは希望的観測であっても夢を見ておきたいところ。

 

この他シャンゼリゼ劇場のプログラムではザハロワがガブリエル・シャネルを踊るという作品も見てみたいですね。

10月24日 20:00/ 10月25日 16:00の2回公演

85点の衣裳がシャネル社によってこの作品のために作られたそう。シャネルはバレエとは切っても切れない縁があるので、『青列車』も2024年なら100周年、上演してほしいなと思ってしまいますが…。

https://2021.theatrechampselysees.fr/saison/danse-1/svetlana-zakharova-project

 

欧州の劇場がどのように今後対策をとって再開していくのかはっきりしない点もありますが、Show must go on…です。

中止でなくて延期! バレエ・スエドワ100周年公演。

 

5月予定だった100周年公演のキャンセルを受けもう5年後にならないとみられないかもしれないと覚悟していたのですが、サイトに9月公演のニュースが!

 

9月4~24日に現状なら全7公演の予定との事。嬉しいニュース、実現しますように!

 

リンク:

https://www.operan.se/en/repertoire/les-ballets-suedois-100-years/

Naoko Haga HP企画★バレエ・スエドワ100周年記念★

 

 

5月はストックホルム、王立バレエ団による“バレエ・スエドワ100周年を祝って”『スケーティング・リンク』再現上演を含む上演が、11月はバレエ・スエドワの展覧会がダンス博物館で開催されることを2年前のギリシアで知り、それは楽しみにしていました。今年の一番の楽しみだったといっても過言ではありません。

 

https://www.operan.se/en/repertoire/les-ballets-suedois-100-years-a-tribute/

(予定されていたのは『スケーティング・リンク』再現上演、『おもちゃ箱』ジャン・ギヨーム=バール振付、2015年に同バレエ団が主演した『真夏の夜の夢』よりの場面 アレクサンダー・エックマン振付)

 

 

ところがこのCOVID19禍…5月の公演は中止となりました。21年前に上演されたきりで今回は見逃せないと思っていたのですが、今年は見られないことになりました。

5月のストックホルムの美しさも前回のストックホルム滞在の折に多くの人から聞いていたので、残念でなりません。

 

 

ですが、ただ嘆いていても仕方がないので、ここで5月1日から短期集中連載でバレエ・スエドワ100周年をお祝いすることにしました。

お家ワークの方も多い時期ですし、バレエ・スエドワの魅力の一端だけでもお伝えできたらと思っております。お楽しみいただけましたら幸いです。

 

 

Naoko Haga HP企画★バレエ・スエドワ100周年記念★ページへ

20200331@鎌倉・渋谷

渋谷…記念のハガキ、ハチ公は自分で押すようになっていました。

 

日本の新学期は4月1日、3月31日で今年も色々なものが終わったり、閉まったりしました。

 

大変貌を遂げつつある町、渋谷の東急東横店もクローズ、それに伴って伊東屋さんも85年の歴史に幕を下ろしました。渋谷が初めての支店だったこと、初めて知りました。大学時代には銀座と並んで色々お世話になった店舗でした。桜の花の形のポストイットに訪れた人が思い思いにメッセージを書いて貼れるボードが登場したり、写真のような忠犬ハチ公のスタンプを押せるカードが登場していました。名残惜しくてあれこれお買い物をしました。もちろん銀座は残りますが、ずっとあったものがなくなるのはやはり寂しいものですね。

鎌倉…記念スタンプも登場、本にも押していただきましたが手のひらサイズの色紙をいただきました。大切にします!

鎌倉…クローズ時間には花束をもって駆けつける人もいて、居合わせた人に見守られて静かに店が閉まりました。

そして鎌倉では駅前の書店が100年以上の歴史に幕を下ろしました。書籍ももちろんですが、私にとっては漫画を本格的に買い始めたお店でもありました。夏の漫画フェアーの階段に貼られた文字“夏です、漫画は2階ですも印象的でした。実は家では漫画は推奨されたとは言えない環境だったのですが、ほとんどの中高時代の漫画はこの書店で買いました。ここで出会った漫画が後に日本バレエ史における少女文化の問題を考えるきっかけにもなりました。『ニジンスキー寓話』の1巻を買ったのもこの書店でしたし、『風と木の詩』の最終巻を買ったのもこの書店でした。(後者は時代的に最後からさかのぼって読みました)

 

10年前に規模を縮小して今度は閉店と、何ともかなしい話です。出版の環境の変化も大きいですし、ネット販売も簡単になりましたし、鎌倉の読書率も落ちたのでしょうか…。

最後の1冊は岩波新書を選びました。自分の本は残念ながらなかったので…。

跡地には息子さんの和食屋さんが入るそうですから、これは愉しみにしたいもの。

とはいえ、残念な閉店でした。

藤田とバレエのエッセイを書きました:『文藝春秋』2020年3月号

文芸春秋2020年3月号目次

文芸春秋2020年3月号表紙

『文藝春秋』にエッセイ「藤田嗣治とバレエ」を執筆いたしました。

駅のキオスクにも並ぶとても入手しやすい雑誌ですし、是非お手に取ってみて下さい。芥川賞受賞作も全文掲載で読み応えもあります。

 

幼い頃から身近にあった雑誌からの思いがけないご依頼、とても嬉しく張り切って書きました。
今年はバレエ・スエドワ100周年ですし、一人でも多くの方に藤田のバレエについても知っていただけたらと思っております。

 

https://bunshun.jp/list/magazine/gekkan-bunshun