永遠の『LOVERS~永遠の恋人たち~』@京都芸術センター

開始前の登壇者の皆さま。(開始後は面白すぎて写真を忘れました)
左から建畠哲(京都芸術センター館長)、高谷史郎(ダムタイプ)、石原友明(京都市立藝術大学 芸術資源研究センター所長)、住友文彦(キュレーター/アーツ前橋館長)、石谷治寛(京都市立芸術資源研究センター研究員)

修復に当たっても念頭においたという言葉。
「愛は情報に還元できるか 愛は身体に還元できるか 情報と身体の間にはいまだ超えることのできない次元のズレがある」

もう古橋さんが亡くなって22年もたつのかと驚きました。
そして自分がそれ以上にもうダンスを見続けていることにも…。

京都芸術センターでダムタイプの『LOVERS~永遠の恋人たち~』をめぐるシンポジウムに出席しました。古橋悌二さんの死から22年、なお衰えない人気そして何より作品の強度を改めて確認した時間でした。

 

シンポジウムでは今回の展示の原点となった作品の修復、保存のモデルの在り方可能性について多く言及されました。また、作品とは何なのか、再現とはという根本的な問題も扱われ(それ以上にもっと面白いテーマも沢山ありましたが)まだまだ考えて行かなくてはと思いました。アクティビストとしての古橋悌二さんを継承する人もいないのは寂しい事だとも改めて思ったりいたしました。

登壇者のみならず、京都の主だった方々は勢ぞろいと言ってもいいような顔ぶれが客席にも並びました。また私だけではなく関東はもとより、金沢、九州からという遠方からの観客も多く今なお続く吸引力の強さを感じさせました。

2階の会場では再現までの経緯や資料の展示、そして再現された『LOVERS』の上演が行われていました。当日は混雑が激しかったので日を改めていきました。

作中の「DON’T CROSS THE LINE OR JUMP OVER」というメッセージは当時も心に刺さりましたが、初演当時「JUMP OVER以外ないじゃない!」と思った感覚がフラッシュバックしました。常に「JUMP OVER」でいきたいものです。

 

 

私にとってダムタイプはコンテンポラリー・ダンスって面白い!と強烈に思ったきっかけの一つでもあります。横浜ランドマーク・ホールでの『S/N』は今でも鮮烈に覚えている舞台の一つです。(『PH』も強烈でしたが、『S/N』の方が印象に残っています。)

古橋さんが亡くなられてもう22年、そして自分もそれだけの時間ダンスを見続けているという事にも改めて驚きました。あっとう言う間です。

京都バレエ団『ドン・キホーテ』(2016年7月24日)

レセプションにて。出演者一同。左端からオニール八菜、シリル・アタナソフ、有馬えり子、カール・パケット。

伝説のエトワールの一人シリル・アタナソフと。

京都バレエ団の公演、今年は話題のオニール八菜さん主演、ファブリス・ブルジョア演出・振付『ドン・キホテーテ』。

おりしも後祭の日の京都ローム・シアターで行われました。オープニング記念事業ということもあっていつも以上に華々しい雰囲気。
瑞々しくて華のあるオニール八菜さんとしっかり支えるカール・パケット、そして生きた歴史のようなシリル・アタナソフと何とも豪華な公演でした。
TVクルーがオニール八菜さんにつきっきりでした。近く映像を見ることができそうです。

京都市美の『サルバドール・ダリ』展も舞台美術が出品されているということで見たかったのですが、時間が作れず、東京で見る事になりそうです。秋の楽しみにしたいと思います。

春季授業終了しました。

そんな授業でA.Iさんがかわいく描いて下さった私☆
※掲載許諾いただいております。

 大正大学、客員准教授として4月から行ってきた講義、春季が終了しました。

 100%出席率の学生さんも多いとても熱心なクラスでした。バレエ・マンガについてなど教えていただいた事もありました。講義の内容が学生さんの記憶に残り、体験に繋がればいいなと思っています。

 そして、またどこかでお目にかかれたら素敵、と思っています。

夫婦初共演も話題の『ドラマティック古事記』

『古事記』はもっとも古い恋愛物語の一つでもあると言われたら、なるほど…と思いました。神話という印象が強くその印象が実はなかったのです。

 

そんな『古事記』をオペラ、バレエ、語りで進めるというオリジナリティ溢れる舞台が生まれます。これまで宮崎を舞台に上演されて来たシリーズとも言える作品を新たに東京で上演するとのこと。

記者会見では神話の舞台も宮崎というご縁もあり宮崎テレビ社長も列席、熱い思いを語りました。

宮崎出身の西島数博さんによる演出、そして奥様の真矢ミキさんとの初共演も大いに話題になりそうです。その他にも舘形比呂一、橋本直樹、三木雄馬、逸見智彦、厚木三杏、志賀育恵、東儀秀樹、宝田明に錦織健、柴田美保子と芸術監督、西島さんならではの豪華な顔ぶれ。

新国立劇場 オペラパレスで1日だけという贅沢な公演です。少し涼しくなった頃のはずですし、秋のシアターシーズン幕開けに足を運ぶのはいかがでしょうか。

 

9月3日(土)16:00開演

チケットは発売開始されています。

 

プレイガイド
▼チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード:451-695) http://t.pia.jp/
▼Confetti(カンフェティ)
0120-240-540(平日10:00-18:00http://www.confetti-web.com/

お問い合せ
UMKテレビ宮崎 TEL:0985-31-5111
アンクリエイティブ  TEL:03-6721-7970
MAIL:office@ancreative.net

 

西島数博さんのブログやインスタグラムにもリハーサルの様子がアップされています。

http://ameblo.jp/nishijima-kazuhiro

祇園祭前祭

函谷鉾の上で。

鶴は今年新調されたもの。毎年少しずつ新調されたり、変化する姿も楽しみの一つです。

八坂神社石段下出発時はスコールのような雨でしたが、出立と同時に上がり始めるというドラマティックな展開でした。

中御座神輿の差し上げはベストポジションで見ることができました。美しいです。

西御座の最後の御旅所前差し上げ。法被に赤が入るのも特徴。

東御座の勢いのある差し上げの瞬間。

御池通りに長刀鉾が到着。初めての視点から。綾傘鉾の棒振り踊りも蟷螂山のからくりの蟷螂の羽根がパタパタと動くのも、放下鉾のからくり人形三光丸の稚児舞も見ることができて幸せ。

今年の祇園祭は週末で大変な人出でした。(来年も週末なので平日にお休みしにくい方にはいいのかもしれません。)

宵山には友人のご縁で函谷鉾を参拝させていただきました。鉾の中の世界も魅力的、そして鉾から見る駒形提灯の揺れる京都の町も素敵でした。

 

巡行は初めて高い視点からとなりました。まるで京都新聞の1面のような写真が撮れました。御池通りのバックの緑の強さが夏を感じさせます。

鉾がずらっと並ぶ姿は何とも壮観。素敵な方々とあっという間の楽しい一時でした。

毎年色々な視点で見るお祭には新しい魅力があります。

 

夜は実はこちらがお祭りの主役!の神幸祭。中御座、東御座、西御座の三基の勇壮な御神輿には血が騒ぎます。

八坂神社からの出立はまだ日がある頃ですが、御旅所に到着されるのは深夜近く。先導する駒形稚児も絵巻のよう。綾戸國中神社のご神体である馬を胸にいただき、幼いながら馬をしっかり乗りこなしています。

三基それぞれの特徴ある神輿振りの迫力は何回見てもうっとりします。

御旅所に三基が入られるのを見届けました。

6月もバレエやダンス色々

満席のコンドルズ公演、NHKホールも秒殺という凄まじい人気は健在。

ロビーにはアラジンの魔法のランプが…

見づらいですが左下に写っているのが特製「デコトラ」、この上と周辺を使ったパフォーマンスが行われました。ポールダンスも、バンドも…。

6月は公演も花盛りでした。

バレエはK Balletの『眠れる森の美女』、新国立劇場バレエ団の『アラジン』、英国ロイヤル・バレエの『ロミオとジュリエット』と見応えのあるものが続きました。

英国ロイヤル・バレエ団はバレエ・リュスが生んだバレエ団の一つゆえの思い入れもあります。また、現地で長年にわたって回数を見たという点ではパリ・オペラ座と1、2を争うのですが、以前に比べると色々な意味で多国籍になり、「ロイヤル・スタイル」が見えづらくなった印象だったのは残念でした。

 

 (その英国のEU脱退はギリギリで踏みとどまると想像していたので、驚きました…。世界は不寛容に、ポピュリズムに流れるようです…。)

 

ダンスはコンドルズ『LOVE ME TenDER』を埼玉で。埼玉で10作品目、結成20周年と聞いて驚きました。同じ時間をそんなに過ごしたとは…。あっという間で、20年をone decadeというのも何となく初めて腑に落ちたり。観客は大いに盛り上がり、一緒に盛り上がれたら楽しいのだろうな、と思いました。

 

やなぎみわさんの『日輪の翼』は野外、しかも雨混じりの空の下でしたが聖と俗が入りまじった世界を鮮やかに描きだしていました。トラックは撮影禁止でしたが、一見の価値あり。少し淫靡な花のようでもある不思議な空間を作り出しました。

7月は新潟公演も話題のNoismの『ラ・バヤデール』(KAAT)、小林紀子バレエ団のアシュトン・マクミランプログラム(新国立劇場)、東京シティ・バレエ団『白鳥の湖』(ティアラこうとう)と公演は続きます…。

『TALK & PRESENTATION Carpe diem今を摘め』第2回開催! 

日本文化デザインフォーラム(JIDF)

私も幹事の一人を務めております、日本文化デザインフォーラムの今年2回目のイヴェントが開催されます。

色々と話題になり、圧倒的多数で決定したオリンピックエンブレム制作者の野老朝雄さんはじめ、6名の専門家の方々のお話はきっと知的興奮に満ちたものになるはず。是非お運びくださいませ。

 

7月15日(金)19:00スタート

前日まで下記より予約受付中

http://www.jidf.net

そろそろ“祇園祭”

昨年お願いしていたものが、京都の井澤屋さんから届きました。

 先日、今年の長刀鉾のお稚児さんと禿が決定したとのニュースが流れました。ヤサカタクシーなどを傘下に持つヤサカグループの御子息だそう。兄弟でお稚児さんと禿を務められるのは福寿園の御子息以来4年ぶりだとか。

 

 今年と来年の祇園祭は完全に週末と重なるので人出は猛烈なものとなりそうですが、きっと今年もまた見た事のないお祭の姿に出会えるでしょう。毎年、夏の楽しみです。

気が付けば10年以上も通っています。

 

 昨年お願いしていた帯も届きました。

初心者ですが、上手に着こなしたいな、と思っています。

銀座でPavlova

「パヴロワ」というお菓子に私が初めて出会ったのはオーストラリア、キャンベラのバレエ・リュス展『ロシアより愛を込めて』を見に行った1999年の事でした。

 その名の通りアンナ・パヴロワが好きだったことにちなんだお菓子です。メレンゲをベースにしたレシピは様々です。『瀕死の白鳥』を得意とした彼女の雰囲気に合わせてレストランで出されたものをパヴロワが気に入った事から名前が付いたようです。ニュージーランド発祥とも言われます。私がパヴロワに最初に出会ったオーストラリアにおいてバレエはアンナ・パヴロワ、そしてバレエ・リュス・ド・モンテカルロによって広まり愛されましたが、その足跡がお菓子にも残っているとは当時考えてもみなかったのでワクワクしながらオーダーしたのを覚えています。

 

 先日、思いがけず、銀座ローズ・ベーカリーのメニューに見つけて迷わず注文しました。今回はストロベリーが沢山乗った華やかなアレンジで出てきました。

 

 オリジナルにストロベリーは乗っていなかったかもしれませんが、これはこれで華やかです。アンナ・パヴロワというよりは少し日本のバレエ・イメージに近いのかもしれない、とも思ったり…。

 日本のバレエのプレゼンテーションは他国に比べてどうも「少女趣味」に傾くきらいがあるように思います。バレエが「女性が見るもの」「女性的なもの」というイメージを強くしてしまっているのは少し残念な事だと思っています。

 日本でのバレエの伝達を考えると無理のない所もあるのですけれど、そのお話は長くなるのでまた改めて…。

バレエ・リュス展『ロシアより愛を込めて』子供向けのワークブックもとても素敵で驚きました。

招待状もとても凝っていて行く前から気分が高まりました。(見えているのは『道化』の衣裳)

招待状の片方を開いたところ、今見ても素敵です。(『シェエラザード』の衣裳)

*ASTERISK 『Goodbye, Snow White 新釈・白雪姫』~“美”は天然?それとも人工?~

アスタリスク4回目は中村うさぎ原作という珍しい公演でした。振付・演出、そして作曲もMIKEY。お二人は旧知の仲とか。

ダンスを核に表現をしていきたいというMIKEYの言葉通り、ダンスは中心にはあるけれど表現されるのは物語世界。セリフもあれば歌もあり、というエンターテインメント・ショー。フォーラムCで3日間、4回公演を満席にできるパワーに納得する観客の温度と勢いのある舞台でした。

 

物語は誰もが知る『白雪姫』の中村うさぎ新解釈バージョン。

魔女と白雪姫が「美魔女」と「天然ガール」に置き換えられ、舞台は芸能界というわかりやすく無理のない設定。

この設定とストーリーは日本&米国では広く共感を呼ぶのではないでしょうか。プラスティックサージェリーも辞さない「美魔女」(という言葉は嫌いですが、今は定着した感がありますね)をどう見るかは年齢をどう重ねるかという問題ですし、「人工」と「天然」はある意味永遠の対立項でもありますから。年代によってはぐさりと刺さるセリフも多くドキドキしながら見ていました。

 

そんなセリフやストーリーにも毒たっぷりの作品ですが、実力あるダンサー達によるダンスシーンの場面は見惚れるほどの圧倒的な迫力がある高度なものでした。

 

再演のお話も出ているそうですが、MIKEYのキャラクターが炸裂した感のある「美魔女」がキャストになるとまったく違った魅力になりそうです。

 

たっぷり楽しんだ帰途、アートとエンターテイメントについても考えてしまいました。芸術になるエンターテイメントもエンターテイメントになる芸術ももちろん存在しますからこちらは決して対立項ではないのですが…。