「サティとすばらしき仲間たち」鼎談に出演いたします

今年はサティ生誕150周年。

それを記念したイヴェント“藝大プロジェクト2016「サティとその時代~世紀末からベルエポックへ~」”が5月15日から始まりました。全4回、11月まで断続的に開催されます。

 

その最終回11月6日、芸術の秋の頃、「サティとすばらしき仲間たち」鼎談に出演いたします。

ご一緒するのは素敵なパラードアニメを制作された山村浩二さん、作曲家の小鍛治邦隆さん、そして今回お声かけいただいた詩人で芸術研究家の小沼純一さん。

どんなお話が飛び出すのかわくわくしています。

 

2部はコンサートで山村さんのアニメーションもご覧いただけます。そしてもちろん『パラード』の演奏も。サイレンやタイプライターを楽器として本当に使うのでしょうか?バケツの水をひっくり返す場面はあるのでしょうか? こちらも色々楽しみです。

是非お運びくださいませ。

 

この前に6月25日、10月22日にもレクチャー&コンサートが行われます。

会場はいずれも東京藝術大学奏楽堂。趣のある素敵なホールなので、そこに登壇できるのも嬉しい事だと思っています。

1回券、2回券、3回券がありますので、ご予定に合わせてお選びいただけます。

 

ちょっと先ですがお目にかかれますように。

香港~番外編~

最終日のクロージング・レセプション

こんな趣にあるところを通って博物館へ。右の赤煉瓦はYMCA香港支部。

沢山の階段を上った先にある1906年の「香港医学博物館」こちらも赤煉瓦

先日アップしました香港で見てきた『眠れる森の美女』ナチョ・ドゥアト版。DVD発売との報が流れてきましたので、そちらをご覧になるのも一興かもしれません。

 

公演最終日はフェスティヴァルの最終日でもあり、今年はモエ・シャンドンさんのご提供で観客席全員にシャンパーニュが配られるという粋な計らいもありました。日本の文化庁長官に当たる方などのお客様も多い最終日にはセレモニーも行われましたが、深夜便で戻りましたので、グラスを飲み干して空港へ…というあわただしいものになりました。

そんな香港で初めてのところへもいくつか。

 

~香港でクレソン そして 香港医学博物館~

バレエとは関係ありませんが、フェスティヴァル取材でもう10回以上(もっとかも数えた事がありません)訪れている香港、ちょっと違う事をしてみようと調べて面白そうだったのでクレソン畑のある町へ行って来ました。小さなバスで20分ほど山を上がったところで朝食をいただき、クレソンを食べ(中華炒めがとても合うのは知りませんでした!)、そして購入しようと野菜販売のおばさんに話しかけたところ(といっても広東語はできないのでほぼ筆談)クレソン畑で一緒に摘むことになりました。摘み方もコツも教わって、写真をとるからと撮ってくださいました。若くておいしいクレソンは綺麗な水に育まれていました。なかなかない体験、楽しい一時でした!

 

そして香港医学博物館。これもまだ行ったことのない所へと思って行きました。現地へ向かうと、階段につぐ階段…低いヒールで良かったです、さすがに…。段数を数えようと思ったのですが途中で断念。

登り切るわずか手前にある1906年建設の元病院が博物館になっています。コロニアルな素敵な建物で、庭はハーブガーデンとして様々なハーブが植えられ、一つずつ効能の説明が付けられていました。

疫学から始まった香港医療について最近のSARSまで伝える展示は想像していたより面白いものでした。中国漢方の歴史より西洋医学の伝達や外科手術の歴史を「始め」とするのは今の医学会との関わりにも配慮があるのかしらと、知りたい事も増えました。

 

ちなみに今回香港へ行く前に読んだのは、以下の本。雨傘革命のさなかに行った事も、SARSのさなかに行った事もあるので色々改めてなるほどと思う内容の詰まった1冊でした。確かに最近香港の記事も本も少なくなりました…。そしてこの本の後日談的には書店主失踪など色々きな臭くなっています、これは香港だけには限りませんが。

 

『香港 中国と向き合う自由都市』倉田徹、張彧暋(岩波新書)

最終日はプログラムも違います。そしてシャンパーニュチケット付

のんびりした村にはわんちゃんも猫ちゃんもいっぱい。「なぁに?」と言いたげな表情

毎回と言っていいほど食べるハリネズミの揚げまんじゅう。今回は針が沢山細かいハリちゃんが登場。下に少し見えるマンゴーの入ったお餅も欠かせません!香港は美味しいものが沢山。

教えてもらってだいぶ上手に摘めるようになりました

ナチョ・ドゥアトの『眠れる森の美女』@香港アート・フェスティヴァル

Photos provided by the Leisure and Cultural Services Department of HKSAR
孔雀モチーフが多用された王宮。広がるトレーンも良く映えます。

プログラム表紙にはカラボス姿も

 遅いアップになってしまいましたが、今年も香港パフォーミング・アーツ・フェスティヴァルに行ってきました。今回は3日間全3回の『眠れる森の美女』を見ることができました。ナチョ・ドゥアトは日本でも知られる振付家ですが、彼の全幕作品はなかなか見られないので、どんなものかしらと行ったのです。

 ドゥアト版はロシア、ミハイロスキー劇場バレエ団に2012年に振付けたもので評判や情報が断片的なままの初見となりました。

 

 物語はそのまま、「プティパへの敬意があり、それを尊重し大きく解釈変更をしたり変える事は考えなかった」との事。

 確かに物語の解釈や役に大きな変更点はありません。とはいえ、ナチョらしさは随所に見られました。例えば他のクラシック・バレエでは見られない大きく胸をそらせる動きや、コンテンポラリー作品ではお馴染みになったベジャールの振付にもよく見られる足を開いて膝が直角になるほどに腰を落とした動きなど、他のナチョ作品に良く見られる振りが多用されます。また、「踊らない人はいない」との言葉通り、王と王妃はもちろん、小姓たちも踊りながら退場するなどダンサブルな仕上がりになっていました。

 それを良いと思うか、うるさいと思うかは意見の分かれるところでしょう。私にとっては場面によっては踊らない「居る」だけの役がバレエでは実は重要だったと気付いた作品ともなりました。

 3幕の始めは物語の世界の登場人物たちがその世界への窓なのでしょう、雲に開いた丸い穴から覗いている場面で始まります。何とも可愛らしい場面で印象的でした。(本質的な部分ではなく、円形に登場人物が並ぶ感じや、多数出演する物語の人物たちなど「見た目」は英国ロイヤルバレエ団のダウエル版と似ている部分もあります。)

 この場面では「かえるの王さま」などほとんど踊らない役も登場します。また衣裳のデザインはボンデージファッション風に見える「長靴をはいた猫」、ゴスロリ風に見える「赤ずきんちゃん」など独特のテイスト。これは好みの分かれる所かもしれません。振付も独特のものが多く、「長靴をはいた猫」は音楽が明確なだけに振付には違和感を感じました。

 美術・衣裳はロシア人デザイナーアンジェリーナ・アトラジクによるもの。伝わるかどうか分からないのですが、見ていて思ったのは「オルガルヒ趣味」という言葉。(そんな言葉はありませんが、ぽんと頭に浮かびました)肥大化した帝政趣味とでも言えばいいのでしょうか。ロシアの新興成金の人達が好きそうなイメージと言った方が分かりやすいかもしれません。悪趣味ギリギリの雰囲気です。(決して悪趣味とは思いませんでした、念のため。)ロシア人でなければデザインできなさそうな独特の雰囲気です。そのバランスをとるためもあるのでしょう、美術はその分大変シンプル。デジレが乗った船が進む場面では森が動く仕掛けもありました。

パフォーミングアーツ推進実行委員会総会と弘前の桜

青森県立美術館舞台芸術総監督 長谷川孝治氏と)

 

見渡す限り桜、水辺に桜はよく合います

 

青森県立美術館といえば…の奈良美智「あおもり犬」、こちらも改修工事中にぴかぴかに。

「飛神の柵」がチケットにも。

実行委員を務めているパフォーミングアーツ推進実行委員会総会のために青森に行って来ました。

今年度、青森県立劇場で行われる公演も『アレコ』(注)にちなんだダンスはもちろん、5台のグランドピアノによるアレコ・ホールでの演奏会など楽しみな公演が色々あります。

 

美術館では「オドロイテモ、おどろききれない 網羅万障:棟方志功とその時代」展が開催中でした。若い頃の作品から彼が自分の画風を獲得していく姿を改めて追うことができる見応えるのある展覧会でした。1枚しか刷らなかったという空を飛ぶ神様である「オシラサマ」を描いたという「飛神の柵」(棟方は自作を「柵」と呼びました)は何とも鮮烈でした。

気がついたらチケットに印刷されている画像と同じでしたが、これを書くまで気付かなかったほど。やはり現物にしかない魅力が作品にはあると改めて思いました。何とも迫力のあるそして美しい色彩は今でも勢いを感じさせます。

 

会議後は弘前で観桜会。

見渡すかぎりこんもりと満開、「春の雪」も降る中を歩きました。

今年見た一番見事な桜でした。もう少しゆっくりできると良かったのですが…。夜桜はぼんぼりに灯りも入り、その美しさは是非体験したいと思いました。

 

実はこの観桜会、2011年に予定されていて、地震で中止となった後、日程や桜の開花とスケジュールが合わず、足掛け5年で実現したのでした。

 

(注)『アレコ』は1942年にピョートル・イリッチ・チャイコフスキー音楽、マルク・シャガールの美術・衣裳によってメキシコ・シティで初演された作品です。シャガールにとっては初のバレエ作品でもありました。振付はバレエ・リュス出身のダンサー、レオニード・マシーン振付で上演されました。青森県立美術館はこの『アレコ』の背景幕3枚(全4枚のうち)を所蔵しています。その幕を展示するために作られたアレコ・ホール、及びシアターで様々なパフォーマンスや演奏、上映が行われています。

 

 

 

客員准教授に就任いたしました。

西巣鴨から向かう校門は光の中

今年の桜。入学と言えば…ですから。

春、入学のシーズンですが、今期より大正大学表現文化学科、クリエイティブライティングコース、客員准教授に就任いたしました。
バレエ、ダンス、書く事、歴史、私がお伝えできる事を全力で…と思っております。

 

INTER- DESIGN FORUM TOKYO 2016 開催

本当はゴールドの綺麗なチラシですが、上手に色がでないかも…

※クリックで拡大表示

 幹事を務めさせていただいております、日本文化デザイン・フォーラムがINTER- DESIGN FORUM TOKYO 2016を開催いたします。テーマは「carpe diem」(古代ローマ詩人ホラティウスによる「一日の花を摘め、意訳すれば「今を摘め」という意味のラテン語です)

会場は六本木Super Delux、18:30からウェルカムドリンクと共にお待ちしております。(私は出演はいたしませんが、会場にはおります)

詳細はチラシ写真または下記サイトをご確認下さいませ。

http://www.jidf.net

 

以後、7月15日(金)19:00、11月18日(金)19:00と開催予定です。

第10回日本ダンスフォーラム賞 JaDaFo Dance Award 2015授賞式。

授賞者は左から:室伏鴻さんのマネージャーを務められていた渡辺喜美子さん、森山未來さん、Mikeyさんと東京ゲゲゲイのみなさま。

鏡のモチーフつながりで帰りがけにゲゲゲイの方たちともとらせていただきました。サングラス(見えるそうです)と私のお洋服のモチーフが鏡だったので…。撮影:石井達郎さん(ありがとうございました!)

去る4月5日に授賞式が行われました。東京ゲゲゲイのMikeyさん、室伏鴻さんのマネージャーを長年つとめられてきた渡辺喜美子さんにご出席いただき、華やかな顔ぶれがそろいました。少ない文字数だと誤解を呼びそうですが、実は断られる危機(?!)もあったというエピソードや、「コンテンポラリー・ダンス」という言葉は観客を呼べない、発言など面白いお話も沢山でした。

ちなみにお写真でもわかるようにあのパワフルな舞台を作り出す東京ゲゲゲイの方々の素顔はすてきでかわいい姿でした♪

東京ゲゲゲイの次の公演はASTERISK『Goodbye, Snow White』、5月27~29日、東京国際フォーラム、原作中村うさぎという異色の顔ぶれ。

森山未來さんは授賞式後ドイツへ、カールスルーエで4月16,17日の公演に出演されるとのこと。5月には渋谷パルコ劇場で『談ス』も「東京凱旋公演」とのこと。

渡辺喜美子さんは Shyを「どんなに赤字でも1年はつづけます!」とのことなので、是非訪れてみてください。私も訪れたいと思っております。

桜沢エリカさんの出版パーティ

料理研究家のうーらさんと。手に持っているのはうーらさんによるおつまみボックス。

乾杯のご発声をされるシュークリームの吉田朗さん。桜沢エリカさんは桜が素敵なお着物でした。

今回同時出版の2冊、どちらもサイン入りでした。

 「本のにほいのしない本屋・神楽坂モノガタリ」というこだわりの本と空間のおしゃれ本屋さんで桜沢エリカさんの2冊同時出版パーティーが行われました。

 『バレエ・リュス~パリが煌めく時~』のご縁もあり、久しぶりに桜沢さんにも再会、そして今回のきれいでおいしい「うーらのおつまみボックス」を製作された料理研究家のうーらさんとも再会できました。その他、思いがけない方ともお会いできて、桜沢さんのお人柄とお仕事実績ゆえの素敵な方々の集うパーティーでした。

 

 久禮亮太さんが選ばれたと言うラインナップは何とも楽しく、2014年に発売されていたのに気づかなかった『ビリービンとロシア絵本の黄金時代』(田中友子著/東京美術)を入手することができました。ビリービンはバレエ・リュスにもゆかりの深い画家なのです。他にも欲しい本が沢山ありました。

 カフェも営業されているそうなので、神楽坂セッションハウスへ舞台を見に行く時にも便利そうです。楽しみ過ぎて開演を忘れないように終演後がいいのかもしれなせん…。

 

本のにほひのしない本屋・神楽坂モノガタリ

http://www.honnonihohi.jp/

卒業の季節

※当日の式次第のリーフレットです。

 桜の便りが聞こえてくると卒業・入学の季節ですね。
新国立劇場バレエ研修所の修了式がありました。バレエ史を教えてきた阿部裕恵さん、髙橋依吹さん、廣川みくりさん、廣田奈々さん、中島瑞生さんの5名の生徒さんも無事終了式を迎えられました。新国立劇場バレエ団に廣川さん、廣田さん、中島さんの3名が入団。
 舞台で活躍される姿が楽しみです。
 皆さまのご活躍を客席から期待しています!

 

それにしても研修所ももう11期生、きっと20期生を送り出すのもすぐになってしまうのでしょうね。時の流れは年々早くなるように思います。
 若さと能力がキラキラした生徒さんたちに少しでもバレエ史の楽しさをお伝えできたらいいな、といつも思っています。4月にはまた新しい生徒さんたちが入所されます。どんな皆さまにお会いできるか楽しみです。

 

*画像アップができないので、お写真は下記の所になります。着物の女性達4人とその隣の中央の男性が今年の修了生です。
平成27年度 新国立劇場 研修所修了式が行われました(新国立劇場サイト)