見応えのあったガラ~横浜バレエフェスティバル2016@神奈川県民ホール~

神奈川県民ホールは風景も楽しめるホール。上階のロビーからはこんな空…。

来年20176910日と決定しているそう。プログラムもそれぞれ違うので2日通う人もでそうですね。

昔プレルジョカージュの公演で購入した『ロミオとジュリエット』の絵葉書 
Illustration: Enki Bilal

バレエも続き猛暑も続く中、やっぱり見ようと思って行った公演です。

 

大変個人的な好みですが、プレルジョカージュの『ロミオとジュリエット』がバレエ・プレルジョカージュのダンサーで踊られるというのはやっぱり見ておきたいと思ったのです。

 

その『ロミオとジュリエット』は期待もありましたがそれを上回り、圧巻。プレルジョカージュの振付の凄みと作品の良さを改めて確認しました。1990年初演ですが、今の時代だからこそ、移民と元々住んでいた人の中のアッパークラスの少女との恋はある種のリアリティが世界的にも加わったことには微妙な気持ちがしますけれど…。以前テアトル・ド・ラ・ヴィルで全幕を見て、本当に心をわしづかかみにされたような気持ちになったのを思い出しました。全幕が再度見たくなって(持っていたのはVHSだったよう…)DVDを注文しました。時代をこえる作品になり得ると思います。

 

帰り道たまたま耳に入った観客がこの作品の舞台と登場人物の置かれている立場が分かっておらず戸惑われていたのが残念でした。知らない人に突然話かけるのは憚られましたが、そういう基本的な事がきちんと観客にお伝えできたらこのプログラムの意図がもっと正確に伝わるのではないかと感じました。ダンサー情報も大切ですが、私はやはり作品情報も大切にしてほしいなと今回に限らず思います。

 

その他の作品にも見応えのあるものが沢山ありました。新作『Measuring the Heavens』は佐藤健作による太鼓演奏で踊られたのですが、迫力もあり作品として魅力あふれるものでした。観客がわいたのは『Lilly』。 柳本雅寛、青木尚哉というコンテンポラリー・ダンスを見る人にはおなじみの二人。遠藤康行振付、出演による新作『埋火』では成熟した大人の表現を見せた新国立劇場バレエ団の米沢唯に新しい魅力を発見しました。その他にもローザンヌ国際振付コンクール1位で有名になった二人、二山治雄と菅井円加の『ラ・シルフィード』などここでしか見られない演目が続きました。菅井円加はジョン・ノイマイヤー振付『ヴァスラフ』でバレエ団での成果を披露できたのではないかなと思いました。

 

このガラは遠藤康行が芸術監督として、プロデューサーの「クラシックバレエからコンテンポラリーダンスまで、バラエティー豊かな演目を楽しんでいただき、自分好みのダンスを発見して」もらいたいという意図が実現された内容で、想像以上の面白さでした。

 

来年もまた期待したいガラでした。

講座受付、本日スタートします。

秋に日比谷図書館で行われる日比谷カレッジ『バレエ史って面白い!~バレエの誕生から現在まで~』の受付が本日(8/5)からスタートいたします。

2時間でバレエ史の旅をするような講座を、と思っています。

気持のよい季節ですし、日曜の銀座歩きのおついでにでも是非お運びくださいませ。お待ちしております。

 日時:10月9日(日) 14:00~16:00(13:30開場)

開場:日比谷コンベンションホール(日比谷図書館地下1階)

参加費:1000円

 

お申込み

下記方法のいずれかで、講座名、お名前(よみがな)、お電話番号をお知らせください。

1.電話 03-3502-3340

2.メール college@hibiyal.jp

3.来館  1階受付

バレエ色々…~夏はガラが花盛り~

 夏の日本はバレエのガラ公演が目白押しです。お教室の発表会も年末と同様多いシーズンです。

行く方も踊る方もかなり過酷な環境ですが、この夏休み時期でないと日本に帰国しないダンサーも居ます。

 

 私は見られなかったのですが、7月下旬に都内4公演が行われた「オールスター・バレエ・ガラ」女性だけ見てもアナニアシヴィリにローパトキナ、ザハロワと魅力的な顔ぶれが並びました。最高の『ロミオとジュリエット』のジュリエットはやっぱりアレッサンドラ・フェリ!のフェリの53歳での舞台復帰(しかも演目変更で日本でも『ロミオとジュリエット』となりました)も話題でした。ご覧になった方によると新たな魅力を備えて舞台に戻ってきたという印象のようで、これは見られず本当に残念でした。舞台は一期一会、チャンスと同じで逃すと後がないですね…。

もう一つの話題はパリ・オペラ座のエトワール・ガラでしょうか。Bunkamuraで3日に開幕します。充実の顔ぶれと演目です。

 

怪我を機に何か未来へとの考えから発足したという西島勇人さん率いる「BRIGHT STEP 2016」、新国立劇場で研修生も出演した「バレエ・アステラス2016」は7回目と根付きつつある公演もあります。

 

 根付いたと言えば、夏の風物詩的バレエといえば清里フィールドバレエは何と今年27周年だそう。一度は行ってみたいと思っていますが、日程が合わず、来年以降に持ち越しになりそうです。多くの人に愛される避暑地のバレエというのも素敵だな、と思うのですが…。

 

今年の祇園祭も終わり。

茅の輪作りをしているところ

今年のネイル(上段左から駒形提灯、鉾の組紐、下段左から鳳凰、護符)

 今日(7月31日)で1カ月に渡る祇園祭も終わります。昨年は八坂神社での「疫神社夏越祭」にも参列しました。

 大茅の輪の写真がどうしても見つからないので、ふと思い出したこちらを…。
実はここで写っている茅の輪を作っている手は私でした。「乙女の祇園祭」のとてもかわいらしい女性にていねいにお願いされたのでつい☆

https://www.facebook.com/otome.gion/posts/903609236378170
ネイルが祇園祭仕様なのが少しだけ写っています。(鉾の車輪の部分)

 

 ちなみに、今年はこんなでした。(左手は駒形提灯と鉾の組紐、右手は御神輿の上の鳳凰と神事に関わる人が付ける御榊に「蘇民将来の子孫也」という護符をつけたもの。)これ以上の方はいない!と思うネイリストさんの作品です。

 

 今年は「疫神社夏越祭」には参列かないませんでしたが、前祭、後祭共天候もそれほど荒れず良いお祭でした。厄除もしっかりできていますように!
これで本格的に夏到来、という感じです。

 

https://www.instagram.com/aoikoga/

 

永遠の『LOVERS~永遠の恋人たち~』@京都芸術センター

開始前の登壇者の皆さま。(開始後は面白すぎて写真を忘れました)
左から建畠哲(京都芸術センター館長)、高谷史郎(ダムタイプ)、石原友明(京都市立藝術大学 芸術資源研究センター所長)、住友文彦(キュレーター/アーツ前橋館長)、石谷治寛(京都市立芸術資源研究センター研究員)

修復に当たっても念頭においたという言葉。
「愛は情報に還元できるか 愛は身体に還元できるか 情報と身体の間にはいまだ超えることのできない次元のズレがある」

もう古橋さんが亡くなって22年もたつのかと驚きました。
そして自分がそれ以上にもうダンスを見続けていることにも…。

京都芸術センターでダムタイプの『LOVERS~永遠の恋人たち~』をめぐるシンポジウムに出席しました。古橋悌二さんの死から22年、なお衰えない人気そして何より作品の強度を改めて確認した時間でした。

 

シンポジウムでは今回の展示の原点となった作品の修復、保存のモデルの在り方可能性について多く言及されました。また、作品とは何なのか、再現とはという根本的な問題も扱われ(それ以上にもっと面白いテーマも沢山ありましたが)まだまだ考えて行かなくてはと思いました。アクティビストとしての古橋悌二さんを継承する人もいないのは寂しい事だとも改めて思ったりいたしました。

登壇者のみならず、京都の主だった方々は勢ぞろいと言ってもいいような顔ぶれが客席にも並びました。また私だけではなく関東はもとより、金沢、九州からという遠方からの観客も多く今なお続く吸引力の強さを感じさせました。

2階の会場では再現までの経緯や資料の展示、そして再現された『LOVERS』の上演が行われていました。当日は混雑が激しかったので日を改めていきました。

作中の「DON’T CROSS THE LINE OR JUMP OVER」というメッセージは当時も心に刺さりましたが、初演当時「JUMP OVER以外ないじゃない!」と思った感覚がフラッシュバックしました。常に「JUMP OVER」でいきたいものです。

 

 

私にとってダムタイプはコンテンポラリー・ダンスって面白い!と強烈に思ったきっかけの一つでもあります。横浜ランドマーク・ホールでの『S/N』は今でも鮮烈に覚えている舞台の一つです。(『PH』も強烈でしたが、『S/N』の方が印象に残っています。)

古橋さんが亡くなられてもう22年、そして自分もそれだけの時間ダンスを見続けているという事にも改めて驚きました。あっとう言う間です。

京都バレエ団『ドン・キホーテ』(2016年7月24日)

レセプションにて。出演者一同。左端からオニール八菜、シリル・アタナソフ、有馬えり子、カール・パケット。

伝説のエトワールの一人シリル・アタナソフと。

京都バレエ団の公演、今年は話題のオニール八菜さん主演、ファブリス・ブルジョア演出・振付『ドン・キホテーテ』。

おりしも後祭の日の京都ローム・シアターで行われました。オープニング記念事業ということもあっていつも以上に華々しい雰囲気。
瑞々しくて華のあるオニール八菜さんとしっかり支えるカール・パケット、そして生きた歴史のようなシリル・アタナソフと何とも豪華な公演でした。
TVクルーがオニール八菜さんにつきっきりでした。近く映像を見ることができそうです。

京都市美の『サルバドール・ダリ』展も舞台美術が出品されているということで見たかったのですが、時間が作れず、東京で見る事になりそうです。秋の楽しみにしたいと思います。

春季授業終了しました。

そんな授業でA.Iさんがかわいく描いて下さった私☆
※掲載許諾いただいております。

 大正大学、客員准教授として4月から行ってきた講義、春季が終了しました。

 100%出席率の学生さんも多いとても熱心なクラスでした。バレエ・マンガについてなど教えていただいた事もありました。講義の内容が学生さんの記憶に残り、体験に繋がればいいなと思っています。

 そして、またどこかでお目にかかれたら素敵、と思っています。

夫婦初共演も話題の『ドラマティック古事記』

『古事記』はもっとも古い恋愛物語の一つでもあると言われたら、なるほど…と思いました。神話という印象が強くその印象が実はなかったのです。

 

そんな『古事記』をオペラ、バレエ、語りで進めるというオリジナリティ溢れる舞台が生まれます。これまで宮崎を舞台に上演されて来たシリーズとも言える作品を新たに東京で上演するとのこと。

記者会見では神話の舞台も宮崎というご縁もあり宮崎テレビ社長も列席、熱い思いを語りました。

宮崎出身の西島数博さんによる演出、そして奥様の真矢ミキさんとの初共演も大いに話題になりそうです。その他にも舘形比呂一、橋本直樹、三木雄馬、逸見智彦、厚木三杏、志賀育恵、東儀秀樹、宝田明に錦織健、柴田美保子と芸術監督、西島さんならではの豪華な顔ぶれ。

新国立劇場 オペラパレスで1日だけという贅沢な公演です。少し涼しくなった頃のはずですし、秋のシアターシーズン幕開けに足を運ぶのはいかがでしょうか。

 

9月3日(土)16:00開演

チケットは発売開始されています。

 

プレイガイド
▼チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード:451-695) http://t.pia.jp/
▼Confetti(カンフェティ)
0120-240-540(平日10:00-18:00http://www.confetti-web.com/

お問い合せ
UMKテレビ宮崎 TEL:0985-31-5111
アンクリエイティブ  TEL:03-6721-7970
MAIL:office@ancreative.net

 

西島数博さんのブログやインスタグラムにもリハーサルの様子がアップされています。

http://ameblo.jp/nishijima-kazuhiro

祇園祭前祭

函谷鉾の上で。

鶴は今年新調されたもの。毎年少しずつ新調されたり、変化する姿も楽しみの一つです。

八坂神社石段下出発時はスコールのような雨でしたが、出立と同時に上がり始めるというドラマティックな展開でした。

中御座神輿の差し上げはベストポジションで見ることができました。美しいです。

西御座の最後の御旅所前差し上げ。法被に赤が入るのも特徴。

東御座の勢いのある差し上げの瞬間。

御池通りに長刀鉾が到着。初めての視点から。綾傘鉾の棒振り踊りも蟷螂山のからくりの蟷螂の羽根がパタパタと動くのも、放下鉾のからくり人形三光丸の稚児舞も見ることができて幸せ。

今年の祇園祭は週末で大変な人出でした。(来年も週末なので平日にお休みしにくい方にはいいのかもしれません。)

宵山には友人のご縁で函谷鉾を参拝させていただきました。鉾の中の世界も魅力的、そして鉾から見る駒形提灯の揺れる京都の町も素敵でした。

 

巡行は初めて高い視点からとなりました。まるで京都新聞の1面のような写真が撮れました。御池通りのバックの緑の強さが夏を感じさせます。

鉾がずらっと並ぶ姿は何とも壮観。素敵な方々とあっという間の楽しい一時でした。

毎年色々な視点で見るお祭には新しい魅力があります。

 

夜は実はこちらがお祭りの主役!の神幸祭。中御座、東御座、西御座の三基の勇壮な御神輿には血が騒ぎます。

八坂神社からの出立はまだ日がある頃ですが、御旅所に到着されるのは深夜近く。先導する駒形稚児も絵巻のよう。綾戸國中神社のご神体である馬を胸にいただき、幼いながら馬をしっかり乗りこなしています。

三基それぞれの特徴ある神輿振りの迫力は何回見てもうっとりします。

御旅所に三基が入られるのを見届けました。

6月もバレエやダンス色々

満席のコンドルズ公演、NHKホールも秒殺という凄まじい人気は健在。

ロビーにはアラジンの魔法のランプが…

見づらいですが左下に写っているのが特製「デコトラ」、この上と周辺を使ったパフォーマンスが行われました。ポールダンスも、バンドも…。

6月は公演も花盛りでした。

バレエはK Balletの『眠れる森の美女』、新国立劇場バレエ団の『アラジン』、英国ロイヤル・バレエの『ロミオとジュリエット』と見応えのあるものが続きました。

英国ロイヤル・バレエ団はバレエ・リュスが生んだバレエ団の一つゆえの思い入れもあります。また、現地で長年にわたって回数を見たという点ではパリ・オペラ座と1、2を争うのですが、以前に比べると色々な意味で多国籍になり、「ロイヤル・スタイル」が見えづらくなった印象だったのは残念でした。

 

 (その英国のEU脱退はギリギリで踏みとどまると想像していたので、驚きました…。世界は不寛容に、ポピュリズムに流れるようです…。)

 

ダンスはコンドルズ『LOVE ME TenDER』を埼玉で。埼玉で10作品目、結成20周年と聞いて驚きました。同じ時間をそんなに過ごしたとは…。あっという間で、20年をone decadeというのも何となく初めて腑に落ちたり。観客は大いに盛り上がり、一緒に盛り上がれたら楽しいのだろうな、と思いました。

 

やなぎみわさんの『日輪の翼』は野外、しかも雨混じりの空の下でしたが聖と俗が入りまじった世界を鮮やかに描きだしていました。トラックは撮影禁止でしたが、一見の価値あり。少し淫靡な花のようでもある不思議な空間を作り出しました。

7月は新潟公演も話題のNoismの『ラ・バヤデール』(KAAT)、小林紀子バレエ団のアシュトン・マクミランプログラム(新国立劇場)、東京シティ・バレエ団『白鳥の湖』(ティアラこうとう)と公演は続きます…。